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東北オンラインスタディツアー2023
~東日本大震災の教訓を学び、これからの災害に備えよう~

東日本大震災から12年が経ちます。これだけの月日が経つと、中学生、高校生の皆さんの中には、当時のニュースの記憶があまり残っていない人もいるかもしれません。けれどもあの日に起きたことは決して「自分たちの日常とは遠い話」ではありません。自然災害は誰しもの身にふいに降りかかってくるかもしれないもの。このオンラインツアーでは、被災地で私たちが出会ってきた方々の「同じ悲しみを繰り返さないで」という切実な願いを届けると共に、「聞いて終わり」にするのではなく、皆さんの日常の中でどう具体的な備えができるのかを考えていきたいと思い開催しました。

開催概要

日時 2023年3月4日(土)13:00~15:30
参加者 全国の中・高・大学生 (または該当する年齢の方)42名
実施方法 オンライン(Zoom)による配信
主催 認定NPO法人Dialogue for People
協賛 オリンパス株式会社
協力 OMデジタルソリューションズ株式会社

登壇者プロフィール

佐藤一男さん(岩手県陸前高田市)
1965年岩手県陸前高田市出身。高校卒業後、山形県米沢市で就職。27歳で陸前高田市にUターン。2011年3月、東日本大震災で自宅、漁船、作業場を失う。避難所運営役員となる。同年5月、仮設住宅自治会長、10月、桜ライン311設立。2014年、防災士取得。認定NPO桜ライン311勤務。陸前高田市消防団本部副本部長。高田松原を守る会理事。

佐藤るなさん(岩手県陸前高田市)
2004年岩手県陸前高田市出身。佐藤一男さんの次女、現在18歳。「当時の体験や今について、自分の目線だから伝えられることを伝えられたらいいなと思っています。よろしくお願いします」。

佐藤敏郎さん(宮城県石巻市)
1963年宮城県石巻市出身。元中学校教諭。震災で当時石巻市立大川小学校6年生の次女が犠牲に。現在は震災伝承やラジオなど幅広く活動。共著「16歳の語り部」(2016ポプラ社)は児童福祉文化賞推薦作品に選ばれた。小さな命の意味を考える会代表、NPOカタリバアドバイザー、(一社)スマートサプライビジョン理事。

秋元菜々美さん(福島県富岡町)
1998年、福島県双葉郡富岡町生まれ。富岡町役場職員。いわき総合高校で演劇を学び、専門学校在学中に、双葉郡の内陸に位置する葛尾村の一般社団法人で村内ツアーの企画・運営を経験。現在は、自身の経験をもとに富岡町や双葉郡各地を語りめぐるオリジナルツアーを行っている。活動を通して出逢った俳優2人との繋がりから、富岡町に文化拠点を運営中。

東北オンラインスタディツアー2023によせて

東日本大震災から12年が経とうとしています。これだけの月日が経つと、中学生、高校生の皆さんの中には、当時のニュースの記憶があまり残っていない人もいるかもしれません。けれどもあの日に起きたことは決して「自分たちの日常とは遠い話」ではありません。自然災害は誰しもの身にふいに降りかかってくるかもしれないもの。このオンラインツアーでは、被災地で私たちが出会ってきた方々の「同じ悲しみを繰り返さないで」という切実な願いを届けると共に、「聞いて終わり」にするのではなく、皆さんの日常の中でどう具体的な備えができるのかを考えていきたいと思います。

フォトジャーナリスト・安田菜津紀

参加者レポート

東北オンラインスタディツアー2023に参加して感じたこと、考えたこと、取り組んでみようと思ったことをそれぞれが綴った参加者レポートです。お名前の五十音順に掲載されています。


伊藤琴美

私自身が知らなかったことばかりで、色々なことを考えさせてくれる特別な時間でした。特に佐藤敏郎さんのお話には心を打たれました。震災が起きた直後、生徒たちはすぐ避難をしようとするのに対し先生方はその場で待機することを選んだという事実が今でも信じられません。大人の判断が必ずしも正しい訳では無いということとニュースなどの情報を見て判断を決定するのではなく、今の自分たちの置かれた状況を考えて行動に移すことの大切さを感じさせました。大川小学校を間近で見てぜひ近くで見たいと感じました。今は行ける状況ではありませんが必ず行きます。また、私は東日本大震災の日から命に関わることに敏感になっていました。ですが、それでも前を向いて未来を見続ける皆さんの姿に心を動かされました。この先も沢山の災害が起こり沢山の命が失われるかもしれません。それでも未来のことを考え行動に移せるような人間になれるよう日々精進していこうと思います!


今元陽子

私が印象に残っていることは2つあります。1つ目は一男さんの「明日の最善より今日の次善」という言葉です。突然起こった東北地方太平洋沖地震のように、明日はまた何が起こるかわからない、そんな中で明日の最善のために行動するより目の前のことに周りの人たちと協力しながら全力で取り組み最善を尽くす。次善に力を入れるということが何よりも大事なんだなと思いました。2つ目はルナさんの「知ることも防災の一歩」という言葉です。避難の基本である、どこに避難するのか、どうやって避難するのか。それさえも知らなければ助かる可能性は格段と低いということ、その後の貴重な水をできる限り使わない方法など応用も知っておかなければ今後の生活に大きく影響します。今回のスタディーツアーを通して災害対策への意識が強まりました。これから予定されているフィールドワークに向けより一層知識を深め、教訓を活かした生活ができるよう努力していきます。


岩倉侑

今は愛知県に住んでいますが、私も12年前は宮城県石巻市で被災しました。大川小学校への訪問経験があるだけでなく両親も教員だったことから、震災当日からこの12年間の歩みについて、裏事情も含め諸々を十分に知っているつもりになっていました。しかし、敏郎先生のお話を大川小学校を背景に伺った今回、現地を見た、間接的に話を知っていた、それだけでは感じることのできない何かが伝わってきました。語りに出てきたのは、涙を誘ったり感情に訴えかけたりするような言葉では決してありません。大川小学校ではない場所での敏郎先生の語りは拝聴したことがありますが、そのときと同じように淡々と話していらっしゃいました。あの場所で語るからこそ私たちに訴えてくる何かを、今回のスタディツアーを通して感じることができたのではないかと思います。3.11を間近にした時期にこのような貴重なご機会をいただけたこと、本当にありがとうございました。


臼杵涼翔

自分自身は東北へ訪れたことはないのですが、お一人お一人が訴えかけるようなお話をして下さり、今までよりも自分事として捉えることが出来ました。いざ、自分の身に大地震が降りかかってきた場合に、ただ逃げるだけでなく周囲の方たちとの「連携」を忘れずに行動していくことで、地域間での繋がりも強くなり、次に災害等が発生した場合には1人でも多くの尊い命を救うことになることを学び、先ずは身の回りの友達を大切にすることから始めていきたいと思います。また、物事を主観で見るのではなく、客観的に見られるように更に学びを深めていきたいと考えました。


浦上颯太

貴重な、そして学びの多いお話、大変ありがとうございました。避難所での生活の話、大川小学校の話、福島第一原発事故の話、どの話をとってもその出来事を、目の当たりにし体験したからこその話を伺うことができました。どの話も、ニュースや記事など、見聞きしたことのあったものもありました。しかし、それはあくまでその中で切り取られた数面だけの話であり、今回のスタディツアーでその出来事について、より深く知り、考えることのできるいい機会になりました。また、今後震災や防災について学んでいくに当たって、更に学んでいきたい、どうすればいいのか考えたい、もっと知りたいという気持ちが非常に強まりました。この話から学ぶことも多く、どのように生かしていくか、どのように伝えていくかを考えていきたいと思います。


蛯原帆奈海

あの日も兎年だった。あれから干支も一回りした。12才から24才になる私はこの春、教員になる。何度も耳にした「復興」とは何なのだろうか。今回のツアーに参加し、お三方それぞれのあの日と今日までの道のりを聞く中で、復興ということばの幅広さを感じた。ステレオタイプ的なイメージに押し込めるのではなく、自分事として何を学ぶのか考えなければと思った。また、講演の最後に佐藤敏郎さんが「再利用で手抜きなんだけど」と言いながら見せてくださった今年の年賀状が印象的だった。それは津波で亡くなった娘さんが前の兎年(2011年)に書いたもので、そうか、あれから12年も経つのかと改めて衝撃を受けた。4月から私が受け持つ生徒は当時3才。震災をあまり覚えていない、もしくは知らない世代を相手にこれから仕事をする上でも、今回は本当に大切な経験を得られたと思う。「まずは、知ること、次に行動すること。そして、ブラッシュアップすること。」を胸に未来を拓く一歩を私も踏み出したい。


大浦幸菜

今回のオンラインスタディーツアーを通して災害に対する意識が高まりました。実際に被災された方々のお話は、教科書やテレビだけではなかなか知ることのできない恐怖を感じることができ、時には涙が出てくるほどの大変貴重なお話でした。学校の避難訓練、授業、命のを守るための備えが大切なことが教えられる機会はたくさんあります。しかしそれを真剣に受け止めないせいで過去を繰り返してしまうのは被災した方々に対しても失礼なことだなと思いました。失ってからでは遅い、自分や大切な人の命を救うには、過去の教訓から真剣に学び、備えることが大切だと思います。登壇者の方が、「行動が命を救う」とおっしゃっていました。頭ではわかっていても、行動に結びつかないと意味がない。だから私は、これから震災の過去を風化させないように伝えていきたいと思います。


大平はる美

今回のオンラインスタディーツアーに参加し、被災地の復興について新たな気づきを得ることができました。復興とは、失われたものを元の状態に戻し、さらに勢いを復活させるものであるからと、肯定的なイメージを持っていました。しかし、秋元菜々美さんのお話を聞いて、復興を完全にプラスと捉えることはできないと気づかされました。実際、"古いもの"を解体し取り除いて"新しいもの"を建築させていく復興が、被災者にとって思いもよらない地域の形を作ってしまう可能性があることを知りました。「どんな地域に帰りたいか」、「どんな地域になってほしいか」。ただその土地を盛んにさせる復興ではなく、人をケアする視点を踏まえての復興がなされるべきだと学びました。震災を生き抜いてきた方の、メディアでは取り上げられない心の声を聞けてよかったです。ありがとうございました。


岡島由奈

佐藤一男さんが、避難所運営の際に「平等性」に細心の注意を払っていたことや、施設は返す前提で使用していたことを聞いて、正直とても驚きました。もしも私が避難所運営者の一人だとしたら、なんとか毎日を生きていくのに必死で、平等性や施設については気を回しきれないと思ったからです。孤独死対策のために庭に苗を植えたり、お茶やお酒を振る舞う会を催したというお話にも「なるほど!」と相づちが止まりませんでした。私はありがたいことに、まだ一度も避難所での生活を送ったことはありません。しかし、私自身も含めて誰もがその当事者になる可能性が何時でもあると思います。困難な状況であるときこそ、周囲への気遣いと想像力を忘れないようにする必要を感じました。また、日頃からあらゆる状況でも対応しやすい持続可能な生活を心掛けていきたいと思いました。


河津快優

本日は貴重なご講演をしていただき、ありがとうございました。私は、「復興」というワードについて探求しています。復興といえば、新しいモノを取り入れて、新しいいい街を再び創り上げる。という印象が強かったです。しかし、秋元さんの話を聞いて、古き良きものだったものが、復興によって風化してしまう。や、被災した人の思い出まで消されてしまう。といった、マイナスな面もあったのが驚きました。また、人以外の生物にも大切にしないといけないことも衝撃を受けました。「復興」と「地元の人」ということのバランスが難しいと感じました。


齋藤真緒

私の中で震災はただの辛い記憶で、立場的にもなかったことにしたい経験でした。復興に関しても、「ただ震災前に戻してほしい」と言うばかりでした。しかし、登壇者の方や参加者の方のお話をお聞きして、このような「自分本位」で「人間本位」の姿勢を改めなければならないと思いました。防災や伝承、復興について考えることは、人間だけではなく、この世に存在するあらゆる命を守り、繋げていく活動なのだと気づかされました。私は、幸いにも震災後の生活が「なんとかなってしまった」ことで、日常で防災について考えることがあまりありませんでした。これからは「なんとかなる」という気持ちを捨てて、実生活の中で防災について回りの人と考え、実践したいです。たくさんの気づきを与えてくださり、ありがとうございました。


澤津洋一

僕は今回語り部の人たちのお話を聞き全てとても大切なことでしたがその中でも特に印象に焼き付いたのが宮城県石巻市出身で元中学校教諭である佐藤敏郎さんのお話で当時震災が起きた大川小学校での不適切な対応により避難が遅れ小学六年生である次女の娘さんをはじめたくさんの救える命を失ってしまったこと、しかし敏郎さん自身が遺族の悲しみと教師として臨機応変に指示を出すことの難しさとお互いの立場の気持ちがわかるのが震災当時とても複雑な感情になり、とても大変だったと身に染みて感じました。こういったお話をはじめたくさんの語り部の人たち体験談を自身の家族をはじめたくさんの人達に伝えて南海トラフや今後のあらゆる災害に対してかつて起こった悲劇を繰り返さないように今の自分にできることをしっかり行動で示していきたいと思います。お話してくださった皆さん、本当にありがとうございました!


島田創

本日は貴重な機会をありがとうございました。3ヶ月前、実際に大川小学校を訪れ、裏山に登りました。「こんな容易いことなのに何で(出来なかったんだ)」、と疑問に思ってしまったことは否めません。大川小学校の構内から話してくださった佐藤さんは、「子どもを救いたくない先生はいない」と仰っていました。そのような先生方の思いとは裏腹の結果になってしまったこと、私たちは忘れてはならないと思います。いかにして被害想定や防災を個人化し各人に届けられるかが、来る未曾有の災害を「自分ごと」として捉えてもらう鍵になると思いました。自分の住んでいる地域は、自分の住む家は、自分の大学は、自分の通学路は、自分の家族や友人は。これらの問いかけの日常化こそ、私たちに求められていることなのだと感じます。改めて、本日はありがとうございました。


住谷由美

本日は貴重なお話を本当にありがとうございました。私は東日本大震災のことを全然知ることができていなかったんだなと思いました。現実で直面した方に話を聞くことは、私達がニュースや映像で見たり聞いたりすることとは全然違うものと言えるくらい、現実味があり聞くことで自分の中に落とし込む事ができたと感じています。もうすぐ12年が経とうとしている今でもまだまだ課題はあるし、これから何か災害が起きた時に役に立たせる事ができるものばかりで、今の世の中は危機感が足らず、皆んなにもっと知ってもらわなければならないなと思いました。災害時の避難所や仮設住宅の少しの工夫が大事だったり、学校で何かあった時に全員の命を救う為に、すぐに行動できるように備えることの大切さなど、起きた事実を受け止めて次に進もうとされている姿を感じ、本当にさまざまなことを知ることができました。未来に繋げていかなければならないこの出来事全てを、必ず伝えていきます。


髙橋杏音

本日は貴重な講演を聞かせて頂き、本当にありがとうございました。よく言われる「自分事として捉える」ことが出来ていないという実感は以前からありましたが、今日改めてそれを痛感しました。無知は罪なのだと、そう思いました。またご講演の中で仰られていた、「行政が助けてくれるのは、震災発生時に生き残った命だけ」が物凄く印象に残っていますし、本当にその通りなんだと思います。今の私には具体的に何か行動を起こせる訳ではないかもしれません、ですが少なくとも今回のことで私の震災に向けられた意識は間違いなく変わりました。なのでここから、意識を行動として表せられるよう取り組んでいく所存です。


髙原夕城斗

とても勉強になりました。避難所でのお話が特に印象に残り、お祭りの役員で避難所の役員を決めたということや、様々なルールをを決めることは、余震もまだある不安と混乱の中なのに役員の中の最高責任者みたいな方が居られたんだなと思いました。と同時にそういうことが出来るほど、日頃から対策が練らねているのだと感じましまた。もう起きることが確定している大地震に、備えることがどれだけ大事で、どれだけそれが生死に関わるのか実感できました。 東日本大震災について、今まであまり学んできておらず、知らないことだらけだったので、全てが新鮮でした。本当にありがとうございました。


竹内正弘

この度は、貴重な体験をさせていただきありがとうございました。私のグループでは、「復興」というワードを探求することが目的だったのですが、秋元さんの話で「復興」することは必ずしもプラスになるわけではないというお話を受けて、被災を現地で体験した人にしかわからない気持ちもあると思うので、そのような点を考慮していきたいです。佐藤るなさんのお話で「復興」は、建物が戻ることなどの環境よりも、現地の人が笑顔になることが「復興」ということを受けて、検索サイトで調べるよりも、現地の方の体験が一番正しいと思うので、現地の人からの話をこれからは探求する上で生かしていきたいです。また、佐藤一男さんのお話で、支援を受ける際に物の偏りや、調味料や枕など、ジャンルは同じでも必要とされるものは違うので、今後はそのような点も多くの人に伝えていけるようにしたいです。 今回の学習を活かし、東北で多くのことを学んできます。


武田怜子

今回、語り部の皆様からお話を聞き、被災者を「被災者」というくくりで見るのではなく、その裏に隠れている個人の存在と思いを知る努力を知らなければいけないと感じました。特に秋元さんが質問の回答としておっしゃられていた「その人が幸せに暮らしていけるようなケア」が現代の復興には足りていないという言葉にはハッとさせられました。こうしていけば必ず万人が幸せになるという絶対的な答えはないという極めて根本的なことを理解できていなかったのだと気付かされました。語り部として私たちの前に立ってくださっている皆様に感謝の思いでいっぱいです。私の中でただの知識となってしまっていた東日本大震災という大きな出来事の裏にあった個人の思いを知ることができました。ここで得た教訓を近い未来確実に起こる南海トラフ大地震に生かしていけるよう、家族と共有していきたいと思います。お話をしていただき、本当にありがとうございました。


田中篤志

『世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない』――あの日、津波が襲った石巻市立大川小学校に刻まれる、宮沢賢治の金言である。僕は、生まれてから16年、大震災を経験したことがない。阪神淡路大震災は生前のことで、東日本大震災は遠い地のことだった。しかし、今回のSTで、実際に東日本大震災を体験した方の生の声を聞く機会に恵まれた。長く苦しい避難生活の実態を聞く中で、「自己の利益だけを最優先するのではなく、他者と協調していくことがいかに大事か」ということを学んだ。同時に、自分の幸福を他人の不幸の上に築くのではなく、他人の幸福こそ、自分の幸福とする生き方を普段から実践することが大切であり、これはいざ必要となったとき、すぐにできることではないと感じる。現代、「防災」という言葉を聞くと家具の固定や食料品といった目に見える物の準備にのみ意識が傾いてしまう。しかし、協調性といった、その時にならなければ見えてこない、他者とのコミュニケーションこそ、今、本当に求められている防災ではないだろうか。


田辺藍

当時少なくて困ったものとして、調味料と枕、また歯磨き粉などを挙げられていたことに驚きました。理由を聞かせていただいてとても納得しました。支援するもの一つでも、本当に何が必要なのかを、相手の気持ちになって考えることが大切なんだなと学ぶことができました。「救いたかった命は救えた命」けれど事実として「救えない命になった」とおっしゃられていた時に胸が締め付けられました。この言葉を聞いてから、緊急事態の時に正しく判断できる、判断能力が求められるのかがよくわかりました。この機会に家族と避難経路を確認したり、避難バックの置く場所などを考え直そうと思います。過去の教訓がどれほどあっても、その教訓から何か生かせないと意味がないと思うので、事前から準備を怠らず、行動する勇気を待ち続けれるよう今から訓練しておきます。学校で行っている避難訓練も気を引き締めて行っていきます!!このような沢山のことを学ばせていただける素晴らしい機会を設けていただき、本当にありがとうございました。


冨田万莉

佐藤るなさんは、私より1つ上の歳の方でした。私は関東に住んでいますが、その時の恐怖心や状況などをよく覚えています。るなさんは当時、もっと恐怖を感じたのだろうと考えながらお話を聴いて、被災した方々はこの12年間強く生きてこられたのだと感じました。また、一男さんのお話を踏まえ、家族と防災セットの中に歯磨き粉も入れておこうと話しました。また、大きな地震があった時どこに避難するか改めて話し合いました。私が一番この講演会で感じた事は、地震は自然災害であるため何に対して怒りをぶつけていいのか分からなく、辛いということです。この講演会の後、大川小で当時6年生だった男の子のお父さんがお話ししているYouTubeを観ました。佐藤敏朗さんの娘さんと同じく山に逃げようとしたけれど、叶わなかったということが、本当にお話を聴いていて悲しくてたまりませんでした。私はこれから、もっと地震のことを知っていこうと思います。


中川杏彩

この度は、東北オンラインスタディーツアーに参加させていただき、本当にありがとうございました。私は、大きく2つのことを学びました。1つ目は、日頃の備えの大切さです。佐藤敏郎さんのお話の中で、津波が来た時、逃げる場所を決めていたり、日頃から避難訓練などをしていた学校が助かったとのお話を聞いて、念のために行動することが、何人もの命を救うことにつながるのだと感じました。私も、日頃から家族と避難場所を話し合ったり、防災グッズを揃えるなどしていこうと思います。2つ目は、対話の大切さです。佐藤一男さんのお話の中で、役員みなでどうしたらみんなが納得できるかを話し合いながら進めていったとありました。大変な時こそ、対話を重ね知恵を出していくこと必要だと痛感しました。


中野晃子

復興とは、人間の生活が元に戻って嬉しいこと、そう思っていました。しかし、元のまちに戻そうとするほど経済主義で人間第一のまちになってしまうのではないか、というお話を聞き、今までの考え方が変わりました。必ずしも、復興=良いことではないのだと。だからこそ、私たちはこのように学び、より良い「復興」について考えていくべきなのだと気づきました。私は7年前、熊本地震を経験しました。今、熊本でも環境に優しい「復興」ができているのか、そして私が地元でできることは何なのか考えていこうと思います。また、行政との連携という課題が大きく残っているのだと知りました。市民と行政との間の壁は、災害関係に限らず、常にある問題だと思います。その常にある課題は、災害が起きる前に解決しておくことも大事だと感じることができました。今後「復興」というものが秘める大きな可能性を大切に探求していきたいと思います。ありがとうございました。


西村友葉

今回のお話を聞いて、孤独死対策として野菜の苗の支援が行われていたということがとても印象に残りました。この取り組みによって被災した方同士のつながりを自然に生み出すことができ、とても素敵な取り組みだと思いました。私は、震災で被災した方同士のコミュニティの形成について探求したいと思っています。今回の東北オンラインスタディーツアーで学んだことを探究活動に活かしていきたいです。このような素晴らしい機会をいただき、本当にありがとうございました。


服部正義

今日のオンラインスタディーツアー、お三方の貴重な話を聞かせていただき本当にありがとうございました。最初に公演してくださった佐藤一男さん、るなさん親子の話の中で一男さんの避難所の運営役員として運営していく中で大変だったことや苦労したことなどネットなどでは学べないことを学べました。その中でも「過去の教訓を活かす」ということを大事にして行きたいと思います。次に佐藤敏郎さんは大川小学校から中継で公演してくださり本当に現地で学んでいるような経験ができました。俊郎さんの言葉は重く、心に深く刻むことができました。最後の秋元菜々美さんの講演で秋元さんが必ずしも復興という行為は正しいものではない、当時のままで残してほしいという考えは自分の考えにはなく、深く考えさせられました。今回の講演でたくさんの新たなことを学べました。そして学ぶだけではなく人に伝えていき、東日本大震災の話を継承することも頑張っていきます。


福本奈穂

今回のスタディツアーは改めて自分の防災への向き合い方を考える貴重な機会となりました。あの日からもう一回りも時間が過ぎましたが、私は中学校に避難しているとき近所の人がほとんど避難していなかったことを今でも覚えています。結果として津波が被害をもたらすことはなかったのですが、佐藤俊郎さんの仰っていた「念のために逃げる姿勢」が私の住む場所でもなかったように思います。そのため堤防があるから、ハザードマップ上で安全だから逃げないのではなく避難指示がでているから、本能的に逃げる必要があると感じるから念のために逃げることを伝えることをこれから伝えたいと思いました。また、今回の場に参加するような方は元々防災に興味のある方、防災に関わりのある方がほとんどだと思います。このような場で学んだことを自分のコミュニティに広げること、その人たちそれぞれに自分事として考えてもらうことを目標にこれからも行動していきたいです。


箕原優作

私は今回のスタディツアーを通して、特に「正常生バイアス」を防ぐことの重要さを学びました。この「正常性バイアス」について調べたところ、想定外の事態でも心の平穏を守るための心の働きであるということが分かりました。確かに心を落ち着かせるという点では大切かもしれませんが、災害時に機能してしまうと、避難の遅れが生じることで被害の拡大に繋がる危険性が非常に高いです。こういった「正常性バイアス」のように、災害による被害の要因にはまだまだ知らないことが沢山あると、痛感しました。また、今回私が探求している「避難生活における暮らしの格差」について、避難所役員である佐藤一男さんに、避難所のそういった様子を質問することができ新たな発見が得られました。TVやネットだけでは被災地の確実な情報を把握することができません。ですが今回、生の声を聞き現地の人がどういう想いで震災に向き合っているかを知りました。佐藤敏郎さんもおっしゃっていたように、この機会を「入り口」としてさらに積極的に学んでいく決意です。今回は本当にありがとうございました!


宮坂舞花

自分が小学六年生の時に起きた東日本大震災で、もうだいぶ昔の記憶になってしまっていたので、そんなに長い避難生活だったんだなとか、当時原発でどんなことが起きて周辺地域はこんな風に避難をさせられたんだったよなとか、再び思い出すことができました。 また、4人の語り部の方それぞれから語られるいろんな視点での東日本大震災は、これまで知らなかったことや気がつかなかった問題に触れるきっかけとなり、とても勉強になりました。大川小学校の悲劇も、自分は教育系の大学に通っていて、昔から教員を目指していたので特に気になりながらも、しかし同時に難しい問題であるのであろうといった認識からこれまできちんと学んでこれずにいたのですが、今回現地からつないでお話をしてくださって本当によかったです。必ず近いうちに東北の地に訪れて震災の記憶と記録をたどる旅に出たいと思います。ありがとうございました。


宮里きら

今回の講演で1番印象に残ったのは「復興」という言葉がいい意味だけでないということです。今までは復興は失ったものをあたらしく作る、それは絶対的に良いことだと思っていたので辞書的な言葉の認識ではなく、被災した方だからこその話を聞き、震災の複雑さに気づくことが出来ました。また私は避難所でのこころのケアについて探求したいと考えているので、野菜の苗のお話やお茶会のお話など、とても学ばせていただきました。避難生活の中で出た声が実際に活動として行われていたことも知ることができ本当に良かったです。 今回は素晴らしい講演をありがとうございました。


安池亮

第1部では、被災者の方のお話を聞き、多くの学びを得られました。1つ目に、土木専攻である自分はハードの防災・復興に注目しがちですが、行政や被災地域の今後などのソフト面がいかに大事かを強く感じました。2つ目に、秋元さんの「復興」は必ずしもプラスの言葉では無いという言葉に非被災者がよく思う復興施設も元いた人にとっては思い出の上に成り立っていると考えると「復興」の重みを感じることが出来ました。2部では、ディスカッションを行う中で、自分の防災を今一度見直すべきだと感じました。自分は、備蓄の中から必要なものを取り出すことがたまにあり、ローリングストックを徹底しなければいけないなと思いました。また、近くにある防災公園などを見直し避難を想定して自分で訓練をすることが大切だと感じました。春休みである今のうちにやってみようと思います。


山田優美

このような貴重な機会を本当にありがとうございます。このお話を聞く前、東日本大震災、阪神淡路大震災などの防災情報は本当に無知でした。今日の講演を聞いてさらにそう思ったのだと思います。災害に対して、私がどれだけこれまで向き合えていなかったのか、身にしみました。特に佐藤敏郎さんがお話されていた、「起こってからでは遅い、事前の準備を!念のためのギアを」という言葉に、ハッとさせられました。過去の「救えた命」を絶対に私たち未来の人間が繋げて、多くの人を救いたいと強く思います。あれだけのことに意味付けをしていくのは私たちだという意識を常に欠かしません。そして、このような、講演会で伝えてくださった方々に、「無力なのかな、、」なんて、思わせないほど、防災の波紋を広げていきます。今日は本当にこのような決意の機会をくださり、感謝しています。会いがとうございました。


吉田祥世

特に印象に残ったのは、実際の避難所生活についてのお話である。避難所ではルールや運営役員が作られていたということや、孤独死対策として苗を配布し、植物の元気さで人の元気さが見えるようにしていたということを知った。日常生活が失われた時こそ、周囲の人々と協力したり、知恵を出しあったりして生きることが前向きな気持ちに繋がるのだろうと感じた。また、大川小学校で起こったことについてのお話からは、災害が起きてから話し合ったのでは遅いということや、命を守るためにはまず行動することが大切であるということを学んだ。今回のツアーに参加して、私たちは想像力を働かせることで過去の経験を深く知ることができると学んだ。また、自然災害はいつ・どこで起こるか分からないものであると再確認することで、東日本大震災も自分事であると感じるようになった。過去の災害の経験について知ること、加えて、それぞれの土地で起こる可能性の高い災害は何かを知り、できることは何かを考えることが重要であると考えた。ツアー参加後に東北を訪れた際は、浸水域に新しい家などが建てられた様子を見て、「復興とは何か」を考えさせられた。


吉見幸子

私は今まで授業などで震災のことを学ぶことの方がほとんどでしたが、実際に震災を経験されて、被災した方々の話を聞く機会が本当に貴重だなと感じたし、被災者の方の思いを直接聞くことができ、学べたことがたくさんありました。特に避難所での生活の実態などを少し知って、私の今の生活がある日突然一変してしまうことを想像すると、震災当時はどれほど大変だっただろうと思いました。避難所には年齢も生活も考え方も違ういろんな人が集まって、協力していかなくてはなりません。快適とは到底言えないような状況下でのストレスもすごかっただろうと思います。ただ、その中でなんとかより良くしていこうと体操や園芸など工夫していたということが知れて、地域の方々との交流の大切さなどもそこから学びました。また、大川小学校のことが心に深く残りました。少し逃げれば助かっていた子供たちや先生方のことを知って胸が痛くなりました。過去の教訓を将来に生かすためにも、「念の為のギア」でいざという時の判断ミスをなくせる準備をしていきたいし、この考えを広めていきたいと思います。ありがとうございました。

 

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