【声明】関東大震災から100年―加害の歴史の直視を
この100年目の地平に立ち、現代社会を見つめたとき、ただ曖昧に「祈る」だけでは不十分であると痛感します。発災後、警察などの公権力までもが、「朝鮮人が井戸に毒を入れている」などのデマに流され、また扇動し、虐殺は起きました。だからこそ公人が、繰り返さないための意思を、何度でも示す必要があるでしょう。各地で災害が繰り返される度、外国人をはじめマイノリティを加害者に仕立てる事実無根の「噂」が流されます。同じ暴力がいつ繰り返されてもおかしくはない危機感を持たず、加害の歴史に背を向ける権力者の姿勢は、奪われた命への冒涜であり、今を生きる命をも軽視しているでしょう。哀悼の意をささげるとともに、東京都をはじめ公権力に、歴史の直視を強く求めます。
(2023.8.31 / 安田菜津紀)