無関心を関心に—境界線を越えた平和な世界を目指すNPOメディア

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20世紀は「戦争の世紀」だと形容された。その響きの中には、来る新世紀は戦争を克服した新時代がやってくる…という希望も込められていたように思う。今、世界を見渡してみて、どんな世界が広がっているだろうか。終わらない戦争、拡がり続ける格差、自然破壊…。ふとニュースに目を転じると、悲惨な現実ばかりが世界を覆っているように思えてしまう。しかし、実際にカメラを片手に現地を歩いてみると、必ずしもそんな厳しい現実ばかりが目に飛び込んでくるわけではない。中東諸国では、数千年にも渡って育まれてきた豊かな文化に触れ、アフリカ諸国では、日本の社会では失われつつある人々の繋がりや、他者への感謝を学んだ。凄惨な独立闘争を経た東ティモールの人々からは、平和の希少さと日常の愛おしさを、壊滅的な台風被害を受けたフィリピンの小さな島では、痛みを知っているが故の人々の優しさに包まれた。今、あらゆる技術や文化的交流により、急速にこの星はひとつの文化圏を形成しつつある。その過程には多くの摩擦もあるかもしれないが、それはまた、互いが互いの良い点を学び、切磋琢磨しながら未来を築く礎にもなるものだ。世界の様々な場所で出会ってきた人々の瞳の中に、僕はいつも希望の光を感じてきた。ひとつひとつは、小さな光の粒に過ぎないかもしれないが、それらが共に未来を目指す時、きっと素晴らしい世界が姿を現すに違いない。ともに歩む。同じ人間として。

001:子どもたちの瞳は大人には見えない世界の美しさを宿している。(ザンビア共和国)
002:人間は自然のリズムと共に歩んでいかなければならないと、自然破壊に警鐘を鳴らすチルフィア・カプウェプウェ氏。(ザンビア共和国)
003:全身で喜びを表現する。言語の最奥にある人間の最も豊かな感情を素直に感じる。(ザンビア共和国)
004:メソポタミア文明を生んだ地、シリアには今も昔と変わらぬ豊かな大地が広がっている。(シリア)
005:家族を守るために銃を取ったという若き女性も、武器を下ろせば恋もすれば笑いもする普通の女性だ。(シリア)
006:IS(武装勢力、いわゆる「イスラム国」)の脅威から逃れて生活していた家族も、徐々に日常を取り戻しつつある。(イラク)
007:難民キャンプで生まれた子どもたち。彼らの未来は今の大人の生き方にかかっている。(ヨルダン)
008:瞳しか見えなくとも、その心が笑っていることが伝わる。人はみな、同じ源からやってきた。(ヨルダン)
009:大切な人を失わなかった人などいないと言われる東ティモール独立闘争を今に伝える。「憎しみの連鎖を、赦すことで断ち切るのです」。(東ティモール)
010:子どもたちはどこにでも光を見つけ、それと自然に戯れる。(東ティモール)
011:南スーダンの独立には多くの困難が伴ったが、同時に数えきれないほどの希望もある。(南スーダン)
012:一時定住キャンプの子どもたち。溢れんばかりのエネルギーに、逆にこちらが元気をもらう。(南スーダン)
013:遠く日本から離れた地で、日本で生まれた柔道を学ぶ子どもたちと出会った。(コンゴ民主共和国)
014:どの国を訪ねても、マーケットのおばちゃんたちは飛びぬけて明るく元気だ。(コンゴ民主共和国)
015:「泊まる場所ないならウチにおいでよ」。巨大台風により家を失い、瓦礫でできた家に招いてくれたライカちゃん。困難を知っている人間は優しい。(フィリピン)

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