キーウから北西約24キロのブチャ。人口約3万7,000人だったこの街で、ロシアによる軍事侵攻後、400人を超える市民が殺害されたとされる。平穏を取り戻しつつあるように見えるキーウから、車を走らせて30分ほどの距離でしかない場所で、残虐な行為の数々が繰り広げられてからあまりにまだ日が浅い。さらに北西へと進んだボロディアンカは、キーウから60キロほど離れた人口約1万2,000人の街だった。破壊の爪痕が深く刻まれた街並みの中にも、少しずつ日常を取り戻そうとする人々の姿があった。その様子を、写真を通してお伝えする。(写真は2022年5月18日・19日に撮影)
それぞれの街を取材していると、偶然通りかかった人々が、自身が見たこと、亡くした人たちのことを懸命に語ってくれる。復興は、街のインフラ再建の問題だけではない。あまりに深く刻まれた恐怖や悲しみと向き合い、日常を取り戻していく過程はこれからだ。その長い道のりを見据えた支えが、今後も欠かせないはずだ。
(2022.5.24/写真・文 安田菜津紀)
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