特集「パレスチナ—続く民族浄化」
イスラエルによる大規模な侵攻と虐殺が続いてきたパレスチナ。ガザ地区、そしてヨルダン川西岸地区でも、多くの人がイスラエルの占領・暴力により尊厳や命を奪われています。
2024年12月、Dialogue for Peopleは再びヨルダン川西岸地区とイスラエルを訪れ、年始にかけて長期取材を行いました。
過酷さを増す民族浄化に直面するパレスチナの現状や、イスラエルで声をあげる人々の声を伝えます。
Contents 目次
取材レポート
「まるで檻の中で生きているよう」―占領の続くパレスチナ・ヘブロン、引き裂かれた街からの声(2025/2/5 佐藤慧、安田菜津紀)
青く澄み渡った空に冷たい風が吹き抜けていく。眼下に広がるのはパレスチナ・ヨルダン川西岸地区南部の街、ヘブロンの旧市街だ。その光景の中央には、イブラヒムモスク(マクペラの洞窟)という、ひときわ目立つ四角い建造物がそびえている。このモスクの地下洞窟には、ユダヤ教、キリスト教、そしてイスラム教というセム系一神教の預言者アブラハムが埋葬されているとして、各宗教の重要な聖地となっている。しかしこの街はまた、パレスチナ人への迫害――民族浄化が、目に見える形で刻まれている地でもある。…(続きを読む)
「狂気を止めよう」―ガザでの虐殺に異を唱えたイスラエル人高校教師は、ある日突然、逮捕された(2025/1/28 安田菜津紀)
「この狂気を止めるんだ」――2023年10月、イスラエル軍によるガザ侵攻が始まった直後、イスラエルの高校教師、メイール・バルヒンさんは、犠牲になった子どもたちの写真とともに、Facebookにそう投稿した。ところがこの投稿をきっかけに、教員の職を解雇され、さらには「反逆罪」などの疑いで逮捕される。…(続きを読む)
「三千年前の王の庭を再建する」―イスラエルにより推し進められる民族浄化(2025/1/21 佐藤慧)
イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への軍事侵攻「停戦」が伝えられている。もちろん、一刻も早く武力侵攻を止めるべきだっただろう。しかし圧倒的な力の格差と占領体制のもと、桁外れの大量虐殺を続けてきた側が「少しの間、殺すのを自粛します」と言うことを、「停戦」「合意」と称することに、改めて力を持つ側の傲慢と欺瞞を感じずにはいられない。…(続きを読む)
取材短報
パレスチナ現地取材―イスラエルによる「民族浄化」に歯止めを(2025/1/6 佐藤慧)
年末年始にかけ、イラク北部クルド自治区、そしてパレスチナ・ヨルダン川西岸地区/イスラエルの取材を行ってきました。詳細は今後記事や動画、Radio Dialogueなどでお伝えしていきます。
ガザ地区での凄惨極まりないジェノサイドは、今この瞬間も続いています。同時に、ヨルダン川西岸地区では、何十年にも渡る占領政策の過程で、土地や権利が奪われ、人間性を否定され、まさに「民族浄化」としか形容できない事態が進行しています。…(続きを読む)
Radio Dialogue
Radio Dialogue ゲスト:藤原辰史さん「ホロコーストとパレスチナ」(2025/1/29)
ナチス・ドイツが主導した、ユダヤ人やロマの人々、社会的マイノリティなどへの大量殺戮「ホロコースト」。こうした過ちを二度と繰り返さないために、ドイツ社会は加害の歴史・記憶を受け継いできたはずなのですが、イスラエルによるパレスチナの人々への民族浄化が加速する現在、むしろドイツ政府はイスラエルに加担する姿勢を続けています。なぜドイツ国内において、パレスチナの現状は軽視されてきたのでしょうか? 食や農の観点を踏まえ、歴史学者の藤原辰史さんと一緒に考えていきます。(配信を聴く)
Radio Dialogue 【海外取材報告】「パレスチナ ~続く民族浄化~」(2025/1/8)
ガザ地区では今この瞬間も虐殺が続いていますが、西岸地区でも多くの人がイスラエルの占領・暴力により尊厳や命を奪われています。このジェノサイドはイスラエルだけの問題ではなく、これを放置し、差別・民族浄化を容認してきた国際社会全体の問題です。今回の配信では、過酷さを増すばかりの民族浄化に直面するパレスチナの現状や、イスラエルでも差別・虐殺に声をあげる人々について報告します。(配信を聴く)
▼Dialogue for Peopleではパレスチナでの取材を継続的に行ってきました。過去の取材発信についてはこちらから。
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