2023年夏特集「過去から繋ぐ、今を読み解く」
2023年夏特集
「過去から繋ぐ、今を読み解く」
21世紀に入り四半世紀が経とうとしています。かつて描いた「未来の世界」はどのように実現し、また、実現しなかったのでしょうか。
現在世界を見渡すと、肥大化した権力の暴走や資源をめぐる争いがあちこちで火花を散らしています。一度始まった軍事衝突は、留まるところを知らずに無数の日常を破壊していきます。日本は「平和な国」といわれますが、果たして本当にそうなのでしょうか?
「過去」の戦争の惨禍は、「今」にも影を落としています。大義のために人が人を殺すことを正当化する構造は、「国の役に立つ人間」とそうでない人間を分かちます。そして「必要ない」と判断された個々の命は、ふとした瞬間に国家暴力に巻き込まれ、あらゆる権利を剥奪されてしまいます。あるいはいつわりの正義のために、ときに命の犠牲すら強いられるでしょう。
こうした構造を見つめ直し、解体していくためには、なぜそのような過ちを犯してしまったのか、歴史に学ばなければなりません。また、理不尽な暴力の中で刻まれた、多くの声に耳を傾ける必要もあるでしょう。今年2023年の特集では、「過去から繋ぐ、今を読み解く」と題し、近現代の戦争や国家の暴力、今へと繋がる過去の出来事などについて発信していきます。
特集コンテンツ「過去から繋ぐ、今を読み解く」 Radio Dialogue 徳田悠希さん/加美山紗里さん「ジェンダーから考える核問題」 平和について「一緒に考えたい」――生まれ育った広島での記憶のかけらが原点に 「赦すか、赦さないかを決めるのは、被害者の権利」――【光州事件】あの時、それからの女性たちは Radio Dialogue 清末愛砂さん「タリバン復権2年 アフガニスタンの女性たちは今」 Radio Dialogue 井田徹治さん「戦争と気候危機」 沖縄『この場所を次世代に』-未開発緑地帯に残る戦没者の遺骨 _Voice of People_Vol.14 【声明】関東大震災から100年――加害の歴史の直視を 【エッセイ】ヘイトスピーチとホロコーストの間を生きる 関東大震災から100年の地平に立って Radio Dialogue プチ鹿島さん「映画『シン・ちむどんどん』から考える政治」 韓国『戦争で分断は解決しない』-ジャーナリスト 徐台教さんと歩く軍事境界線付近 特別企画:夏休みにかんがえる「戦争」のこと 夏休み、子ども向けコンテンツはこちら 再掲コンテンツ「こえをつなぐ」 被爆と出自、70年近く隠し続けた 今なぜ、自身の名で被爆体験を語るのか 戦場だった海、「生き残ってしまった」罪悪感――平良啓子さんインタビュー 「おばあさんからもらったこの命、ありがとう」 白梅学徒隊だった中山きくさんが、次世代に手渡す言葉 蔑ろにされた建議書、書き換わる教科書――「復帰」50年、沖縄と教育が歩んだ道のり 報道は人間全体に関わること―独立メディア創設者――アソス・ハルディさんインタビュー 私たちは「死傷者数」という「数」に置き換えられる存在ではない――アマルさんインタビュー
特集コンテンツ「過去から繋ぐ、今を読み解く」
今起きている事象をより詳しく知り、考えるためには、その背景にある出来事を読み解かなければなりません。世界中で数えきれないほどの犠牲を出した世界大戦は、その反省から、「人権」という概念を社会の基盤として捉える機会ともなりました。ところが実際には、国家が戦争へと突き進んでいく構造的な狂気は今も解体されていません。今回の特集では、記事や動画、ラジオ型YouTube番組「Radio Dialogue」を通じて、今を読み解くためのヒントとなる発信を行っていきます。
核やジェンダー不平等のない、人権をベースにした安全保障へのロードマップを描くためには何ができるのか? GeNuine共同創設者の徳田悠希さんと加美山紗里さんをゲストに考えます。
栃木に暮らす嶋田貴子さんは毎月、戦争や平和について考えるイベントを開いています。「ちょっとずつでもこの時代に考えていかなければいけない」と活動を続けます。
1980年5月、韓国・光州市で民主化を求める市民たちが軍による激しい弾圧を受けました。この「光州事件」は往々にして「男性たちの物語」として語られますが、女性たちの役割は「後方支援」や「補助」だったのでしょうか。現地取材レポート。
2021年8月、タリバンがアフガニスタンの首都カブールを制圧し、再び実権を掌握、旧政権が崩壊してから2年という月日が経ちます。女性の権利を抑圧するタリバンですが、女性たちの教育や社会活動、文化はどう変わってしまったのでしょうか?
世界各地で最高気温の更新が続いています。CO2の排出量をどれほど迅速に抑えられるかが対策の鍵を握っていますが、戦争や平時の軍事行動によって膨大なCO2が排出されている実態をご存知でしょうか?
沖縄県本島南部、糸満市。未開発の緑地帯には無数の戦没者遺骨が眠っています。凄惨な戦争の記憶を次世代に継いでいくためにも、具志堅さんはこの場所を残す必要があると語ります。
加害の歴史に背を向ける権力者の姿勢は、奪われた命への冒涜であり、今を生きる命をも軽視しているでしょう。哀悼の意をささげるとともに、東京都をはじめ公権力に、歴史の直視を強く求めます。
関東大震災発災直後から、恐怖を駆り立てる無根拠な「噂」が広がり、各地で「自警団」が結成され、警察をはじめ公権力までもがデマの扇動に加わり暴力に加担、幾多もの虐殺が起きました。安田菜津紀のエッセイです。
『劇場版 センキョナンデス』に続く「選挙は祭り!」映画の第2弾、『シン・ちむどんどん』の舞台は沖縄――。沖縄県知事選、基地問題、座り込み抗議への冷笑など、ダースレイダーさん、プチ鹿島さんのふたりが鋭く切り込んでいきます。
2023年7月27日、朝鮮戦争「休戦協定締結」から70年という月日を迎えました。それはあくまでも「休戦」であり、緊張状態は続いています。その数日前、私たちは韓国在住のジャーナリスト、徐台教さんの案内で軍事境界線付近に向かいました。
このページでは、Dialogue for Peole (D4P)が、今まで色々なところで「戦争」について取材してきたことをまとめました。3つのステップを通じて、戦争によってどんなことが起こってしまうのか、私たちにできることは何なのか、一緒に考えていきましょう。おすすめの本や、ぜひあしを運んでほしい場所も紹介します。読書感想文や自由研究にもお役立てください!
再掲コンテンツ「こえをつなぐ」
歴史の本やニュースから学ぶことも大切ですが、個々人の体験から語られる言葉に触れることで、その「大きな出来事」が日常と地続きであると感じます。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」というように、真摯な省察がなければ、とかく人は、社会は、過ちを繰り返してしまうものです。こちらの再掲コンテンツでは、これまでにD4Pがインタビューしてきた人々の記事・動画をピックアップしてご紹介します。
YouTubeやSNSでも関連コンテンツ発信中
YouTube、SNSではそれぞれの媒体に合わせた関連コンテンツを発信してまいります。ぜひフォローいただけますと幸いです。
▶︎ YouTube | ▶︎ Twitter | ▶︎ Instagram | ▶︎ Facebook
D4Pの活動は皆様からのご寄付に支えられています
認定NPO法人Dialogue for Peopleの取材・発信活動は、みなさまからのご寄付に支えられています。ご支援・ご協力、どうぞよろしくお願いいたします。
Dialogue for Peopleは「認定NPO法人」です。ご寄付は税控除の対象となります。例えば個人の方なら確定申告で、最大で寄付額の約50%が戻ってきます。