週刊新潮7月31日号に掲載された、高山正之氏の「創氏改名2.0」と題した「コラム」は、隣国にルーツのある人々を見下し、歴史的事実を捻じ曲げ、内心の自由をないがしろにしながら「誰が本当の日本人か」を品定めして憚らず、「名乗り」というアイデンティティと尊厳に深く関わるものを踏みにじる、隅から隅まで差別に満ちたものでした。
《「言論や表現の自由」は(中略)時代とともに変化》
《私たちの編集現場がそれを常にアップデートしていかなければ》
新潮社は8月4日、そうしたコメントを発表しましたが、あの「コラム」の問題性を、「アップデートできていなかったから気づかなかった」はずがありません。この「コラム」でも、それ以前からも、差別を金にしてきた責任は重いものであり、どんな「時代」であっても許されないはずです。
この「コラム」が名指しされた方々への加害であることはもちろん、こうした掲載が同様のルーツの人々やマイノリティとして生きる人々にどのような影響を社会の中で及ぼしてしまうのか、最低でもそこまで踏み込んで責任と向き合う必要があるでしょう。
弊会ジャーナリストが寄稿、出版などで関わった団体として、強く抗議します。