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2023.11.7

パレスチナ・ガザ地区「生き延びている人も心身ともに限界」――D4P現地取材パートナー、アイサールさんインタビュー

安田 菜津紀 Natsuki Yasuda

安田 菜津紀Natsuki Yasuda

佐藤 慧 Kei Sato

佐藤 慧Kei Sato

田中 えり Eri Tanaka

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安田 菜津紀 Natsuki Yasuda

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佐藤 慧 Kei Sato

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田中 えり Eri Tanaka

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安田 菜津紀 Natsuki Yasuda

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佐藤 慧 Kei Sato

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田中 えり Eri Tanaka

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安田 菜津紀 Natsuki Yasuda

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佐藤 慧 Kei Sato

佐藤 慧Kei Sato

田中 えり Eri Tanaka

田中 えりEri Tanaka

2023.11.7

インタビュー #難民 #戦争・紛争 #パレスチナ #佐藤慧

パレスチナ・ガザ地区中部アル・ヌセイラット難民キャンプで避難生活を続けるD4P現地取材パートナー、アイサールさんへのインタビューです。アイサールさんはこれまでにもボイスメッセージや写真などで現状を伝えてくれていましたが、避難生活の中で携帯電話の録音機能もカメラも壊れてしまったとのことで、テキストベースでお話を伺いました。(インタビュー:2023年11月6日夜)

2022年8月の空爆で破壊されたガザ市内の建物。(撮影:アイサールさん/2022年)

 
――今はどこに避難を?

ガザ中部のアル・ヌセイラット難民キャンプです。私の家族と母方の親族と一緒に、総勢30人以上で避難しています。親族の所有する小さな幼稚園で寝泊りしています。

 
――そこでの日々はどのような状況でしょうか?

状況は非常に深刻です。アル・ヌセイラット難民キャンプへは数万人がガザ市などから避難してきていますが、食料も水も手に入れるのは簡単ではありません。電気も通っていません。私たちは近所のスーパーで携帯を充電していましたが、そのスーパーも爆撃されてしまいました。今は近隣の人々と小さなジェネレーター(発電機)を共有していますが、燃料も残り僅かです。調理などに使用するガスは今や「金(ゴールド)」のようです。幸運なことに、私たちのところにはもう少しだけガスが残っていますが、1ヵ月に及ぶ避難生活で、尽きるのも時間の問題です。

アイサールさんが案内してくれたガザの港。この周辺も今は壊滅的な被害を受けている。(撮影:佐藤慧/2019年)

 
――避難先でも空爆が続いていますか?

24時間いつでも爆撃の音が続いています。夜の爆撃はますます酷くなるばかりです。昨晩(2023年11月5日)は70メートル先の民家に爆弾が落ちました。近所中が粉塵に包まれました。

 
――2023年11月7日現在、イスラエル軍はガザ市を包囲したとしています。そこにはあなたの自宅もあったはずですが……。

私はイスラエル軍の攻撃が始まってすぐに避難しました。その後、私の家のある地域を訪れた人から聞いた情報によると、ガザ市北西にあった私の自宅は爆撃により一部損壊しているとのことでした。ですが、今は地上侵攻が始まりました。イスラエル軍はガザ市南部まで侵攻しているといいます。彼らは戦車を進ませる前に徹底的な空爆を行うので、私の家はすでに跡形もないかもしれません。

自宅のことを考えると悲しくなります。4年前に新築したばかりでした。まだ住宅ローンも払い終えていません。避難生活も1ヵ月になり、自宅が恋しくてたまりません。大切なもののほとんどを残してきました。いくつかの重要な書類と衣類以外、自宅に置きっぱなしです。もしこの戦争が終わったら、瓦礫の中から何か拾いだせるものがないか、探したいと思っています。

でも、こうして生きていられる私たちは幸せです。家族も無事です。家を失ったことはいいのです……。私たちはただ、今この瞬間生きていられることを祈っています。

 
――避難先には子どもたちもいると思います。どのような様子でしょうか?

親族の子どもたちが14人います。子どもたちは爆撃のたびに泣き叫び、母親のもとへと走っていきます。夜中、近くに爆弾が落ちると子どもたちも寝ていられず、その度に号泣しています。親たちは、「これは花火なんだ、パーティなんだよ」と言って落ち着かせようとしています。その姿を見ているのは辛いです……。

ガザ地区で出会った中学生たち。(撮影:佐藤慧/2018年)

 
――何かほかに伝えたいことは……?

私たちは国際社会にとても失望しています。とても、とても残念でなりません……。安全保障理事会も、無辜の市民の虐殺を止めることができないのですから。

空からは狂ったように爆弾が降ってきます。今現在も、イスラエル軍が勧告した避難先で多くの子どもたちが瓦礫の下に埋まっています。彼らはガザを世界地図から抹消しようとしているのではないでしょうか。これまでに使用された爆発物の総量は、ヒロシマ型原爆2個分に匹敵(※)するという報道もあります。

(※参照) Euro-Med Human Rights Monitor

このようなことが2023年の今行われるとは、誰が信じられるでしょうか?

被害は信じられないほどです。仮に戦後を迎えられるとしても、復興するのは非常に大変なことでしょう。生き延びている人々も、心身共に限界を迎えつつあります……。

(2023.11.7 / 翻訳・編集 佐藤慧)

 

【動画】パレスチナ・ガザ地区からのボイスメッセージ①
(画像をクリックすると動画が再生されます。)

 

【動画】パレスチナ・ガザ地区からのボイスメッセージ②(2023/10/17)
(画像をクリックすると動画が再生されます。)

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