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Interview

2020.5.24

【Global Interview】 難民や貧困、COVID-19による世界での影響は?

安田 菜津紀 Natsuki Yasuda

安田 菜津紀Natsuki Yasuda

佐藤 慧 Kei Sato

佐藤 慧Kei Sato

安田 菜津紀 Natsuki Yasuda

安田 菜津紀Natsuki Yasuda

佐藤 慧 Kei Sato

佐藤 慧Kei Sato

安田 菜津紀 Natsuki Yasuda

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佐藤 慧 Kei Sato

佐藤 慧Kei Sato

安田 菜津紀 Natsuki Yasuda

安田 菜津紀Natsuki Yasuda

佐藤 慧 Kei Sato

佐藤 慧Kei Sato

安田 菜津紀 Natsuki Yasuda

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佐藤 慧 Kei Sato

佐藤 慧Kei Sato

安田 菜津紀 Natsuki Yasuda

安田 菜津紀Natsuki Yasuda

佐藤 慧 Kei Sato

佐藤 慧Kei Sato

2020.5.24

Interview #Yasuda #Sato #Tohoku #Syria #Iraq #Palestine

新型コロナウイルスの猛威は国境を越え世界全土に広がっています。この4月にD4Pでは、これまで取材でお世話になってきた方、取材パートナーの方々に、現場ではどのような影響が出ているか、今後にどのような不安があるかを伺いました。疫病や自然災害は、国や人種、宗教的信条や年齢、性別などと関係なく、あらゆる人々にとって脅威となりえます。中でも、以前から脆弱な立場に置かれていた人々、戦禍や差別に晒される地域ではより一層深刻な問題として立ちはだかります。
 
パレスチナ西岸地区に暮らすサマ(仮名)は、日常的に抑圧の中に暮らしてきました。元より街から街へ移動することすらイスラエルの占領地を通らなければいけなかったのに、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される今では、移動は不可能だと言います。

「私たちは、春の訪れを心待ちにしていました。やっと温かく、気持ちの良い季節になったというのに家から出ることすらできないなんて、本当に気が滅入ります」。

医療機器や医薬品などが限られている西岸地区の人々は、一度感染拡大が起こると、とてつもない惨事になるのではないかという恐怖を抱えているとサマは言います。「でも私たちは、ロックダウン(都市封鎖)には慣れています。だって常に封鎖された状態で暮らしているのですから」。空港も無く、外国を旅するどころか、隣街に行くことすら厳しい制約がある、それがパレスチナの日常です。

「世界中が移動の不自由を体験する中、私たちの日常がいかに抑圧されたものであるかということにも、理解が広がることを願っています」。

まるで刑務所のような壁が街をぐるりと包囲している。(ベツレヘム/2018.2)

サマは今、新型コロナウイルスに関するニュースはあまり見ないようにしていると言います。「ずっと恐ろしいニュースを見ていると気が狂いそうです。この惨事が過ぎ去ったとして、その後にどんな破局があるのかと思うと恐ろしいのです。特に経済危機は、パレスチナ全土に深刻な影響を与えるでしょう。なので今は、あまり何も考えないようにしています」。

日常が破壊される恐怖と、抑圧的な社会に生きる苦しさを知っている彼女だからこそ、より一層不安が募るのかもしれません。しかし、疫病や自然災害が境界線を越えて起こりえるように、他者を想う気持ちもまた、あらゆる壁を越えて人々が理解し合える可能性を秘めているのではないでしょうか。COVID-19による世界的な脅威が一刻も早く収束することを祈っていますが、それを乗り越えた先に、今よりも温かな社会を築けることも、また強く願っています。
 
 

【Global Interview】 難民や貧困、新型コロナウィルス(COVID-19)による世界での影響は?

Dialogue for Peopleでは、4月、世界各地の方々に、新型コロナウイルスの影響を受ける日々の暮らしについてインタビューを実施し、3回にわたり映像でお届けしてまいりました。今回はその映像を改めてご紹介するとともに、各地のアップデートについても【追加コメント】をいただいております。いまだ続くコロナ禍に、世界各地がどのように対応しているのか、またどのように手を携えることができるのか、想像をひろげるきっかけになれば幸いです。
 


イラク/ザンビア/ヨルダン編 (2020/4/6 公開)

インタビュー協力: Barzan Salam(Iraq)/Sevelino Vasco(Zambia)/松永晴子(Jordan)

イラク北部、クルド自治区からは取材パートナーでもあるバルザン氏がレポート。クルド自治区には過激派勢力“イスラム国”(IS)との戦闘後、多くの避難民が身を寄せている他、一部地域ではまだISが活動を続けています。

アフリカ南部、ザンビア共和国から声を届けてくれたのは、子どもたちの支援を続けるFoot Prints Foundationのヴァスコ氏。貧困率が50%を超えるザンビアでは、安心して暮らせる場所を持たない路上の子どもたちが日々様々な問題に直面しています。

最後はヨルダンから、NPO法人国境なき子どもたちの松永晴子さんのレポートです。ヨルダンには登録されているだけで、65万人をこえるシリア難民が避難生活を送っています。
 

【追加コメント】
・イラク ― Barzanさん(5/10)
クルド自治区の状況は徐々に良くなってきていますが、様々な問題にも直面しています。商店や市場はまだ開いていないところも多く、会社の倒産や、従業員削減のための解雇などにより多くの人が職を失いました。クルド自治区の財政は原油の輸出に頼っているので、世界的に原油価格が下落している今、政府は既に60日以上も公務員に給料を払えていません。1ドル1,200イラクディナールだったレートも、1,240イラクディナールになりました。輸入も難しくなり、食料品なども値段も高騰しています。預金の引き出しを認めない銀行も出てきており、家賃を払えない人々が、住居を追い出される事例も起きています。レストランやカフェは、今もって閉まったままです。国際空港再開の目途も立っておらず、旅行業や小規模なビジネスはますます困窮しています。そんな状況にも関わらずIS(過激派勢力いわゆる“イスラム国”)の活動は活発になっており、多くの市民、兵士が殺されています。
 
・ヨルダン ― 松永晴子さん
松永さんへの追加インタビューはこちらの記事にまとめています。
感染の危機が迫っても、「帰る場所」がない人々がいる - 隣国に避難するシリアの子どもたちは今


シリア/フィリピン編 (2020/4/10 公開)

インタビュー協力: Salah Hasan(Syria)/中村八千代(Philippines)

シリアからは取材パートナーでもあるサラー氏がレポート。シリア北東部では、昨年10月以降新たに20万人以上が国内避難民となり故郷を追われています。医薬品や医療設備が圧倒的に不足していることから、アウトブレイクの危険性に人々は不安を感じていると言います。

フィリピンからは UNIQUEASE(ユニカセ) というソーシャルビジネスを通じ、貧困層の青年たちに実践的なトレーニングを実施している中村八千代さんがレポート。貯蓄のない貧困層の方々は、政府からの支援も期待できず、既に数日何も食べていないという人もいる状況とのことです。
 

【追加コメント】
・フィリピン ― 中村八千代さん (5/9)

フィリピンでは中間層やコロナ禍で失業した人たちへの現金支給が始まった一方、未だに食糧支援すらされていない貧困層の人たちがいます。近所の人たちの洋服を洗濯して得た少額の現金を食費に充てたり、借金をしてその場を凌いでいると。そう語る女性たちは笑顔や冗談を欠かさない・・・人としての優しさや謙虚さ、真の強さを感じます。限られた資金で援助を継続する中、彼女らに与えているのではなく彼女たちと共に乗り越えている気がします。人として何をすべきかを問われているようです。
 
・シリア ― Salahさん (5/13)
現在シリアでは、致命的な新型コロナウイルスの大流行は起こっていません。ゆっくりと日常が戻ってきつつあります。学校や人々が集まる施設は未だに閉じられたままです。市場は、特定の時間だけ開いています。新たな感染拡大に備えた準備も整いつつありますが、国境の封鎖などにより、日用品の価格は高騰しています。


韓国/ガザ/東北編 (2020/4/16 公開)

インタビュー協力: チョウ・ミス(South Korea)/Amal(Gaza,Palestine)/佐藤一男(Rikuzentakata)

韓国からは、日韓の市民社会活動をつなぐ交流のコーディネートや通訳、平和教育に関する活動に携わるミスさんによるレポート。韓国政府は、迅速な対応を行いながらも、移住外国人や、ミスさんのような在日コリアンは支援の対象から外れてしまうなどといった問題も見えてきているとのことです。国を越えて助け合う姿勢が大切と語ります。

パレスチナのガザ地区からは、取材パートナーでもあるAmalさんによるレポートをお送りします。新型コロナウイルスによる危機以前から、元々占領、隔離という状況下にいたAmalさんは、医療の脆弱なこの地で感染が拡がれば、ガザ地区全域を覆ってしまうのではないかという恐怖を抱えていると言います。

岩手県陸前高田市からは、避難所運営アドバイザー(防災士)の佐藤一男さんによるレポートです。東日本大震災を経験し、避難所や仮設住宅で様々な困難に直面してきた佐藤さんが、今回の新型コロナウイルスによる騒動の中で、最も残念だったことが、「備えのない人がたくさんいる」ということだと語ります。何度も地震や水害に襲われてきた日本でも、まだ防災意識が十分なのではないか、と警鐘を鳴らします。
 

【追加コメント】
・パレスチナ・ガザ地区 ― Amalさん (5/13)

ガザ地区のアマルです。現在ラマダンと呼ばれる神聖な月であるこちらでは、普段は「ラマダン・カリーム(恵みの月、ラマダン、おめでとう!)」という言葉をお互いに掛け合います。この月の間、私たちは日の出から日没まで断食を行います。そして日没後、イフタールと呼ばれる豪華な食事の時間が始まるのです。人々は浜辺は公園、レストランやそれぞれの自宅で人々と盛大な夜を過ごします。夜にはタラーウィーと呼ばれる祈りの時間もあります。老若男女、あらゆる人々が平和と自由を祈るのです。ところが今年のラマダンは、新型コロナウイルスによって骨抜きにされてしまいました。私たちはみなで夕ご飯を食べることも、祈ることもできないのです。ただ断食をし、夜もひとりで祈るのです。ガザ地区では、新型コロナウイルスの感染はある程度食い止められています。20人の感染者を出しましたが、14人は既に回復し、退院しました。感染拡大を防ぐことができたのは、ガザ地区の地域政府が適切な対応をとっていることが大きいと思います。ガザ地区へ入域するふたつのゲートには、厳しい検疫システムが整えられており、新型コロナウイルスに感染していないことがはっきりと確認された人しか、ガザ地区に入れないようになっているのです。世界中あらゆる場所での、ウイルスの収束を心から祈っています。
 
・岩手県陸前高田市 ― 佐藤一男さん (5/11)
最近の状況や思うことを考えていましたが、言葉が思い浮かびません。なぜ、浮かばないんだろうか?と考えていると、他の都道府県の状況がわからないから。という結論に至りました。陸前高田を含め、岩手県はいまだに感染確認者ゼロが続いています。陸前高田市内の飲食店は、自粛要請を終了しましたが、営業を再開した店とテイクアウトを継続する店に分かれました。営業再開した店は、それなりに客は入っているようです。コロナの感染者を出したくなくてピリピリしているというより、最初のひとりになりたくなくてピリピリしている雰囲気です。ネット上でも、感染者の少ない都道府県や市町村では、感染者の特定が進み、家族が行き場をなくしていると聞きます。病気になりたくない、というより、村八分にされたくないという本来の感染予防からズレた考えになっていることを悲しく感じます。


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連載「誰も取り残さないために」 [2020.4.23]

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2020.5.24

Interview #Yasuda #Sato #Tohoku #Syria #Iraq #Palestine