参加者レポート(3)東北オンラインスタディツアー2023
date2023.4.7
categoryスタディツアー東北オンラインスタディツアー2023~東日本大震災の教訓を学び、これからの災害に備えよう~
東北オンラインスタディツアー2023の参加者レポートの3ページ目です。全国各地から参加した中高大学生世代が、それぞれの思いをつづりました。ぜひご覧ください。
武田 怜子
今回、語り部の皆様からお話を聞き、被災者を「被災者」というくくりで見るのではなく、その裏に隠れている個人の存在と思いを知らなければいけないと感じました。特に秋元さんが質問の回答としておっしゃられていた「その人が幸せに暮らしていけるようなケア」が現代の復興には足りていないという言葉にはハッとさせられました。こうしていけば必ず万人が幸せになるという絶対的な答えはないという極めて根本的なことを理解できていなかったのだと気付かされました。語り部として私たちの前に立ってくださっている皆様に感謝の思いでいっぱいです。私の中でただの知識となってしまっていた東日本大震災という大きな出来事の裏にあった個人の思いを知ることができました。ここで得た教訓を近い未来確実に起こる南海トラフ大地震に生かしていけるよう、家族と共有していきたいと思います。お話をしていただき、本当にありがとうございました。
田中 篤志
『世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない』――あの日、津波が襲った石巻市立大川小学校に刻まれる、宮沢賢治の金言である。僕は、生まれてから16年、大震災を経験したことがない。阪神淡路大震災は生前のことで、東日本大震災は遠い地のことだった。しかし、今回ので、実際に東日本大震災を体験した方の生の声を聞く機会に恵まれた。長く苦しい避難生活の実態を聞く中で、「自己の利益だけを最優先するのではなく、他者と協調していくことがいかに大事か」ということを学んだ。同時に、自分の幸福を他人の不幸の上に築くのではなく、他人の幸福こそ、自分の幸福とする生き方を普段から実践することが大切であり、これはいざ必要となったとき、すぐにできることではないと感じる。現代、「防災」という言葉を聞くと家具の固定や食料品といった目に見える物の準備にのみ意識が傾いてしまう。しかし、協調性といった、その時にならなければ見えてこない、他者とのコミュニケーションこそ、今、本当に求められている防災ではないだろうか。
田辺 藍
当時少なくて困ったものとして、調味料と枕、また歯磨き粉などを挙げられていたことに驚きました。理由を聞かせていただいてとても納得しました。支援するもの一つでも、本当に何が必要なのかを、相手の気持ちになって考えることが大切なんだなと学ぶことができました。「救いたかった命は救えた命」けれど事実として「救えない命になった」とおっしゃられていた時に胸が締め付けられました。この言葉を聞いてから、緊急事態の時に正しく判断できる、判断能力が求められるのかがよくわかりました。この機会に家族と避難経路を確認したり、避難バックの置く場所などを考え直そうと思います。過去の教訓がどれほどあっても、その教訓から何か生かせないと意味がないと思うので、事前から準備を怠らず、行動する勇気を待ち続けれるよう今から訓練しておきます。学校で行っている避難訓練も気を引き締めて行っていきます!!このような沢山のことを学ばせていただける素晴らしい機会を設けていただき、本当にありがとうございました。
冨田 万莉
佐藤るなさんは、私より一つ上の歳の方でした。私は関東に住んでいますが、その時の恐怖心や状況などをよく覚えています。るなさんは当時、もっと恐怖を感じたのだろうと考えながらお話を聴いて、被災した方々はこの12年間強く生きてこられたのだと感じました。また、一男さんのお話を踏まえ、家族と防災セットの中に歯磨き粉も入れておこうと話しました。また、大きな地震があった時どこに避難するか改めて話し合いました。私が一番この講演会で感じた事は、地震は自然災害であるため何に対して怒りをぶつけていいのか分からなく、辛いということです。この講演会の後、大川小で当時年生だった男の子のお父さんがお話ししているYouTubeを観ました。佐藤敏朗さんの娘さんと同じく山に逃げようとしたけれど、叶わなかったということが、本当にお話を聴いていて悲しくてたまりませんでした。私はこれから、もっと地震のことを知っていこうと思います。
中川 杏彩
この度は、東北オンラインスタディツアーに参加させていただき、本当にありがとうございました。私は、大きく二つのことを学びました。一つ目は、日頃の備えの大切さです。佐藤敏郎さんのお話の中で、津波が来た時、逃げる場所を決めていたり、日頃から避難訓練などをしていた学校が助かったとのお話を聞いて、念のために行動することが、何人もの命を救うことにつながるのだと感じました。私も、日頃から家族と避難場所を話し合ったり、防災グッズを揃えるなどしていこうと思います。二つ目は、対話の大切さです。佐藤一男さんのお話の中で、役員みなでどうしたらみんなが納得できるかを話し合いながら進めていったとありました。大変な時こそ、対話を重ね知恵を出していくこと必要だと痛感しました。
中野 晃子
復興とは、人間の生活が元に戻って嬉しいこと、そう思っていました。しかし、元のまちに戻そうとするほど経済主義で人間第一のまちになってしまうのではないか、というお話を聞き、今までの考え方が変わりました。必ずしも、復興=良いことではないのだと。だからこそ、私たちはこのように学び、より良い「復興」について考えていくべきなのだと気づきました。私は7年前、熊本地震を経験しました。今、熊本でも環境に優しい「復興」ができているのか、そして私が地元でできることは何なのか考えていこうと思います。また、行政との連携という課題が大きく残っているのだと知りました。市民と行政との間の壁は、災害関係に限らず、常にある問題だと思います。その常にある課題は、災害が起きる前に解決しておくことも大事だと感じることができました。今後「復興」というものが秘める大きな可能性を大切に探求していきたいと思います。ありがとうございました。
西村 友葉
今回のお話を聞いて、孤独死対策として野菜の苗の支援が行われていたということがとても印象に残りました。この取り組みによって被災した方同士のつながりを自然に生み出すことができ、とても素敵な取り組みだと思いました。私は、震災で被災した方同士のコミュニティの形成について探求したいと思っています。今回の東北オンラインスタディツアーで学んだことを探究活動に活かしていきたいです。このような素晴らしい機会をいただき、本当にありがとうございました。
服部 正義
今日のオンラインスタディーツアー、お三方の貴重な話を聞かせていただき本当にありがとうございました。最初に公演してくださった佐藤一男さん、るなさん親子の話の中で一男さんの避難所の運営役員として運営していく中で大変だったことや苦労したことなどネットなどでは学べないことを学べました。その中でも「過去の教訓を活かす」ということを大事にして行きたいと思います。次に佐藤敏郎さんは大川小学校から中継で公演してくださり本当に現地で学んでいるような経験ができました。tさんの言葉は重く、心に深く刻むことができました。最後の秋元菜々美さんの講演で秋元さんが必ずしも復興という行為は正しいものではない、当時のままで残してほしいという考えは自分の考えにはなく、深く考えさせられました。今回の講演でたくさんの新たなことを学べました。そして学ぶだけではなく人に伝えていき、東日本大震災の話を継承することも頑張っていきます。