【イベントレポート】佐藤慧著『10分後に自分の世界が広がる手紙』出版記念オンラインイベント (2021.5.9)
2021年5月9日(日)、弊会代表の佐藤慧の新著『10分後に自分の世界が広がる手紙』の出版を記念したトークイベントをオンラインで実施しました。ゲストには児童精神科医で認定NPO法人PIECES代表理事の小澤いぶきさんをお招きして、佐藤慧自身の人生、海外や国内での取材で経験した学びについて、対談を行いました。
学校で勉強をして、習い事をして、家に帰れば宿題をする。将来やりたいことがない。勉強をしたくない。そんなふうに、今の自分が知っている「世界」の中で行き詰まりを感じている子どもたちに、世界が広がるきっかけを届けることができれば——そういった思いで綴った本書について、自身の考えや執筆の背景を佐藤が語る形でイベントは始まりました。
過去の意味は今の在り方で変えられるから、いつでも選択しなおして良い
「なぜ社会問題の解決のために“発信”や“写真”を選ぼうと思ったんですか?」
トークセッションでは小澤さんからの質問をうけ、佐藤は取材の経験などを語ったうえで、「取材では『実際にそこで生きている人々の表情』にフォーカスをすることで、想像力の距離を縮めることができます。問題に『自分事』として向き合うきっかけを作りたいから、写真で伝える―写真を見てもらい、自分自身で考えてもらう―という形を選びました」と語りました。
また、本書のテーマである教育について、佐藤は「嫌なことも子どもの時は言語化できない場合が多い。脳だけでなく、身体の声を聴くこと、大人たちがそれを意識することが大事」と述べ、小澤さんも「『社会のこうあるべきこと』と『自分のやりたくないこと』の解離を教えてくれるのが身体」と述べていました。
悲しむ時間は自分の心の大切なものに気づくための大切な時間
本イベントでは質疑応答を通じて、佐藤や小澤さんへ聞きたいこと、イベント内のトークでもっと深掘りしたいことなどをチャット上に投稿してもらう、参加者の皆さまとオンライン上での対話も行いました。
本書に直接関連する「教育」やイベント内でテーマとなった「グリーフケア」についての質問が多く寄せられ、自分の呼吸や身体に気を向けてみることの大切さをあらためて振り返るとともに、自身のコーピングの仕方についても語りました。
今回のイベントでは、「無駄のない生き方」が「生きづらさ」を生んでいるのではないか、といった大人や子どもたちの内面について考える時間をとることができました。
また、質問にその場で答えるというかたちをとったことで、一人ひとり違うありかたがあることを実感できました。
弊会ではこれからも、対面・オンラインを問わず、こうした双方のやり取りができる、対話を大切にしたイベントを続けていきたいと思っております。
ご参加頂いた皆さま、誠にありがとうございました。
(2021.5.27 / 文 田中滉 ・ 校正 佐藤慧)
※イベント開催にあたっては東洋館出版社のご協力をいただきました。ありがとうございました。
【音声のみ】イベント当日の様子はこちら
(画像をクリックすると動画が再生されます。)
【参考リンク】
「10分後に自分の世界が広がる手紙」シリーズの詳細はこちらから
▶︎ https://d4p.world/store/【あわせて読みたい】
▶︎ぶさいくなしゃもじ(『10分後に自分の世界が広がる手紙』より)
https://d4p.world/news/9745/
▶︎【エッセイ】千年先に命を繋ぐ
https://d4p.world/news/616/
Dialogue for Peopleの取材や情報発信などの活動は、皆さまからのご寄付によって成り立っています。取材先の方々の「声」を伝えることを通じ、よりよい未来に向けて、共に歩むメディアを目指して。ご支援・ご協力をよろしくお願いします。