暴力を見過ごさないために
date2023.7.14
categoryお知らせ
弊会(Dialogue for People)副代表/フォトジャーナリストの安田菜津紀が月に一度ほど出演しているTBSテレビ「サンデーモーニング」の2023年6月18日(日)放送中、「風をよむ」という特集コーナーにて、「かつて闇バイトに手を出した当事者」として、自らの体験を元に、その危険性を訴える活動を行っている人物が取り上げられました。安田自身はこの日、出演していませんでしたが、後日録画で番組内容を確認致しました。
当該男性は、困難を抱える若年女性の支援を続ける一般社団法人Colaboの活動の妨害に加わっており、下記動画でもその行為が確認できます。
※妨害行為等が映っています、閲覧にはご注意ください。
こうした行為に対し、裁判所からは、別の男性に対してColaboの活動場所への接近・妨害を禁止する仮処分が下りましたが、同時に裁判所は、「第三者」にColaboの活動の妨害等をさせることも禁じています。動画にもあるように、番組で取り上げられた男性と、接近禁止の仮処分が下った男性は行動を共にしています。
弊会でも度々、代表の仁藤夢乃さんや弁護団の会見の様子などを報告してきましたが、ネット上に蔓延するデマやColaboへの攻撃は深刻で、先の動画はその一部に過ぎません。
当該男性は特殊詐欺で服役後、その経験が他メディアにも度々取り上げられています。刑期を終えた人の社会復帰をどのように促していくかということは、社会としての重要な課題ではありますが、たとえ番組のテーマに即していたとしても、当該男性のこうした妨害行為を見過ごしたままメディアが取り上げることで、結果ある種の「お墨付き」を与えてしまう(差別・加害行為を放置・増長するなど、加担してしまう)危険性は決して軽んじるべきではないでしょう。
私たちDialogue for Peopleも報道に携わるメディアNPOとして、差別や暴力を煽ることに加担したり、矮小化することがないよう、その深刻さと向き合う発信を今後も続けていきたいと思います。