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2022.3.31

参加者レポート(3)東北オンラインスタディツアー2022

安田 菜津紀 Natsuki Yasuda

安田 菜津紀Natsuki Yasuda

佐藤 慧 Kei Sato

佐藤 慧Kei Sato

2022.3.31

#tohoku2022


東北オンラインスタディツアー2022の参加者レポートの3ページ目です。全国各地から参加した中高大学生世代が、それぞれの思いをつづりました。ぜひご覧ください。


高橋 明日香(千葉県)

三陸と聞いて、何を連想するだろうか。ひとつに東日本大震災が挙げられる。大川小学校ではたくさんの生徒の命が奪われた。津波によって家が流された。災害前後を比べてみると同じ街・人でない。ただこの出来事を悲劇的に受け止めるのではなく、魅力あふれる街や人に希望を見た。現在もロシア軍のウクライナ侵攻によりロシア文化そのものが否定されることがあるだろう。街に罪はない。むしろ、前を向いて進む人の姿や、甚大な被害を生み出しながらも雄大な自然の姿を見て、私はより三陸が好きになった。震災の出来事を肯定しつつ、教訓を語り継いでいく。ツアーで「防災は恐怖を煽るものではなく、ハッピーエンドを導くもの」とあった。素敵な街、その材料に東日本大震災の教訓がある。コロナウイルスが落ち着いたら私も三陸旅行をしたい。


手賀 梨々子(神奈川県)

「あの日から11年。」「あの日」以降のことが注目されがちだ。この度、陸前髙田市、石巻市、双葉郡富岡町の住民の皆さんのお話をうかがい、「あの日」以前にいきいきと存在していた風景、人びと、暮らしを感じた。
そして「復興」がどういうものなのかを改めて考える機会となった。大地震対策の設備の強化に努めること。「あの日」の負の記憶を払拭するための美化整備をすること。生きていたまちが、目まぐるしいスピードで、新しいまちへと塗りかえられていく。しかし、地元の人たちは、「あの日」を記憶から消したいとは思っていないのかもしれない。
「子どもたちが自慢できるまちをつくりたい」
地元の人たちが本当に望んでいるのは、東日本大震災が起こる前と変わらず「大切な人たちと未来を見つめて暮らしていける」ことなのではないか。そう感じるのは、皆さんの、生きた生の声を聴けたからに他ならない。


中村 彩乃(その他)

正直今までは、大川小というと大勢の方が亡くなった場所というイメージで、それ以外の景色が浮かんできませんでした。しかし、佐藤さんから被災前の様子を見せて頂き、子どもたちが生き生きと生活するのどかな日常が広がる場所であったことを知りました。そしてそれは自分が通った小学校とそう変わらない景色でした。それから、自分も被害者になりえたかもしれないという危機感と、防災に自分事として向き合わなければならないという思いが湧いてきました。災害や事件、紛争などが起こるとメディアで主に目にするのは現地の被害の状況です。そこで目にする景色はあまりにも非日常で、心を痛めることはできても、自分事として捉えることは容易なことではないと思います。だからこそ、メディア側はどれだけ受け取る側に社会問題との接点を感じさせられるかが重要だと思いますし、自分自身も接点づくりを自発的に行っていきたいと強く思いました。


花岡 賢人(長野県)

私は中学1年生の時に震災を経験したが、当時神奈川県に住んでいたため停電が起きた程度でほとんど被害はなかった。それから11年が経ち、今日初めて被災した方から直接お話を伺い、自分ごととして考えることができた。富岡駅の復興の様子を見ていくと、最近になってようやく復興してきた地域が多く、まだ帰還できない地域があることを知った。このイベントが終わって今日感じたことは徐々に薄れていくかもしれないが、忘れないように心の隅に置いておきたい。そのために今、東北の復興の状況はどうなっているのか自ら情報収集を行いつつ、時間ができた時に自らの足を動かして現地の様子を見にいきたいと強く感じた。社会人になってからも、震災で亡くなった人を踏まえて、リアルな想像を働かして安全を保障できる環境を作っていきたい。


丸山 和幹(愛知県)

僕は昨年の夏休みに福島県の双葉町に行きそこで東日本大震災について改めて学び興味を持つようになりました。そして今回の会にも参加しました。自分の知らないことばかりで驚いたのと津波の被害と原発の被害の違うところにも気づきました。双葉町は津波の被害もあったけれど原発の被害の方が大きく、津波の被害についてあまり知らなかったので今回岩手県などの主に津波の被害について知ることができとても貴重な経験になりました。そしてミーティングのときに僕たちのグループでは復興について主に議論をしました。自分は壊れた建物や街が新しくなるのだけが復興ではなく、震災で被害を負った全ての人の心 までもがなおっての復興だと思います。なので震災を経験した世代が交代するまで完全な復興はないのではないのかなと思いました。


丸山 結実子(東京都)

震災の原発事故をとおして、原子力発電所は、あってはならないものであると、多くの人が実感しつつも、政府が原発を推し進める姿勢を崩さないなか、原発が必要か、必要でないかという2分法の考え方の外に取り残されてしまった、”地元愛”があることに秋元さんの話を聞いてはっと気付かされた。原発を否定することで、原発とともにあった彼らの生活までも否定してし、それが彼らをさらに苦しめていることは、話を聞かない限り到底私には想像も及ばなかったのだと思う。長い歴史を見ると彼らに原発を押しつけてきたのは、我られの責任であることも忘れてはならないと思わされると同時に、彼らがその中でも、懸命に築き上げてきた誇れる地元があることも覚えていなければならないと実感した。


三浦 彩香(東京都)

今回の東北オンラインスタディーツアーを通して、被災地の方々の思いをたくさん聞くことができ、とても良い経験となりました。普段、ニュースや記事などで見かける震災についての情報とは違い、他の参加者さん達の質問を交えて、リアルタイムでコミュニケーションを取れるというのが貴重な経験となりました。皆さんのお話を通して強く思ったことは、今後は誰もが防災を自分事として考えていく事です。私は今まで、防災に対しての備えをしているときに、心のどこかで他人事のように思ってしまったことがありました。それは、災害に対しての見識がまだまだ浅かったからだと実感しました。今回学んだことは、幸せな暮らしを守るために防災をするということです。これからは、この学びを生かして積極的に防災を行っていきたいです。また、防災の必要性を広めていきたいです。


三浦 オリザ(宮城県)

このツアーを通じて、私は宮城県に住んでいながら震災のこと、震災後の今のことをちゃんと理解できてなかったと自覚しました。私は大川小学校を訪れたことがあり、その津波の被害に衝撃を受けました。しかし、大川小で娘さんを亡くされた佐藤敏朗さんの実体験を聞き、改めて災害の恐ろしさと訓練の重要さを知りました。「復興は子供たちが自慢できる町を作ること。」という佐藤一男さんの言葉にも胸を打たれました。いまだ復興していない町があり、そこで今を生きている人がいるということを改めて思い知らされました。震災を「終わった事」として捉えさせてはいけない。その為にも私が何ができるか考えました。私の通うインターナショナルスクールでは、震災のことを知らない外国人もいるので、震災当時と今の現状について英語で伝えていきたいです。今回のツアーを通して、「知ること」「伝えること」「備えること」がいかに大切かを学ぶことができました。


 

 
 

2022.3.31

#tohoku2022