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参加者レポート(1)東北オンラインスタディツアー2023

東北オンラインスタディツアー2023の参加者レポートの1ページ目です。全国各地から参加した中高大学生世代が、それぞれの思いをつづりました。ぜひご覧ください。


伊藤 琴美

私自身が知らなかったことばかりで、色々なことを考えさせてくれる特別な時間でした。特に佐藤敏郎さんのお話には心を打たれました。震災が起きた直後、生徒たちはすぐ避難をしようとするのに対し先生方はその場で待機することを選んだという事実が今でも信じられません。大人の判断が必ずしも正しい訳では無いということとニュースなどの情報を見て判断を決定するのではなく、今の自分たちの置かれた状況を考えて行動に移すことの大切さを感じさせました。大川小学校を間近で見てぜひ近くで見たいと感じました。今は行ける状況ではありませんが必ず行きます。また、私は東日本大震災の日から命に関わることに敏感になっていました。ですが、それでも前を向いて未来を見続ける皆さんの姿に心を動かされました。この先も沢山の災害が起こり沢山の命が失われるかもしれません。それでも未来のことを考え行動に移せるような人間になれるよう日々精進していこうと思います!


今元 陽子

私が印象に残っていることは2つあります。1つ目は一男さんの「明日の最善より今日の次善」という言葉です。突然起こった東北地方太平洋沖地震のように、明日はまた何が起こるかわからない、そんな中で明日の最善のために行動するより目の前のことに周りの人たちと協力しながら全力で取り組み最善を尽くす。次善に力を入れるということが何よりも大事なんだなと思いました。2つ目はるなさんの「知ることも防災の一歩」という言葉です。避難の基本である、どこに避難するのか、どうやって避難するのか。それさえも知らなければ助かる可能性は格段に低いということ、その後の貴重な水をできる限り使わない方法など応用も知っておかなければ今後の生活に大きく影響します。今回のスタディツアーを通して災害対策への意識が強まりました。これから予定されているフィールドワークに向けより一層知識を深め、教訓を活かした生活ができるよう努力していきます。


岩倉 侑

今は愛知県に住んでいますが、私も12年前は宮城県石巻市で被災しました。大川小学校への訪問経験があるだけでなく両親も教員だったことから、震災当日からこの12年間の歩みについて、裏事情も含め諸々を十分に知っているつもりになっていました。しかし、敏郎先生のお話を大川小学校を背景に伺った今回、現地を見た、間接的に話を知っていた、それだけでは感じることのできない何かが伝わってきました。語りに出てきたのは、涙を誘ったり感情に訴えかけたりするような言葉では決してありません。大川小学校ではない場所での敏郎先生の語りは拝聴したことがありますが、そのときと同じように淡々と話していらっしゃいました。あの場所で語るからこそ私たちに訴えてくる何かを、今回のスタディツアーを通して感じることができたのではないかと思います。3.11を間近にした時期にこのような貴重なご機会をいただけたこと、本当にありがとうございました。


臼杵 涼翔

自分自身は東北へ訪れたことはないのですが、お一人お一人が訴えかけるようなお話をして下さり、今までよりも自分事として捉えることが出来ました。いざ、自分の身に大地震が降りかかってきた場合に、ただ逃げるだけでなく周囲の方たちとの「連携」を忘れずに行動していくことで、地域間での繋がりも強くなり、次に災害等が発生した場合には人でも多くの尊い命を救うことになることを学び、先ずは身の回りの友達を大切にすることから始めていきたいと思います。また、物事を主観で見るのではなく、客観的に見られるように更に学びを深めていきたいと考えました。


浦上 颯太

貴重な、そして学びの多いお話、大変ありがとうございました。避難所での生活の話、大川小学校の話、東京電力福島第一原発事故の話、どの話をとってもその出来事を、目の当たりにし体験したからこその話を伺うことができました。どの話も、ニュースや記事など、見聞きしたことのあったものもありました。しかし、それはあくまでその中で切り取られた数面だけの話であり、今回のスタディツアーでその出来事について、より深く知り、考えることのできるいい機会になりました。また、今後震災や防災について学んでいくに当たって、更に学んでいきたい、どうすればいいのか考えたい、もっと知りたいという気持ちが非常に強まりました。この話から学ぶことも多く、どのように生かしていくか、どのように伝えていくかを考えていきたいと思います。


蛯原 帆奈海

あの日も兎年だった。あれから干支も一回りした。12才から24才になる私はこの春、教員になる。何度も耳にした「復興」とは何なのだろうか。今回のツアーに参加し、お三方それぞれのあの日と今日までの道のりを聞く中で、復興ということばの幅広さを感じた。ステレオタイプ的なイメージに押し込めるのではなく、自分事として何を学ぶのか考えなければと思った。また、講演の最後に佐藤敏郎さんが「再利用で手抜きなんだけど」と言いながら見せてくださった今年の年賀状が印象的だった。それは津波で亡くなった娘さんが前の兎年(2011年)に書いたもので、そうか、あれから12年も経つのかと改めて衝撃を受けた。4月から私が受け持つ生徒は当時3才。震災をあまり覚えていない、もしくは知らない世代を相手にこれから仕事をする上でも、今回は本当に大切な経験を得られたと思う。「まずは、知ること、次に行動すること。そして、ブラッシュアップすること。」を胸に未来を拓く一歩を私も踏み出したい。


大浦 幸菜

今回のオンラインスタディーツアーを通して災害に対する意識が高まりました。実際に被災された方々のお話は、教科書やテレビだけではなかなか知ることのできない恐怖を感じることができ、時には涙が出てくるほどの大変貴重なお話でした。学校の避難訓練、授業、命のを守るための備えが大切なことが教えられる機会はたくさんあります。しかしそれを真剣に受け止めないせいで過去を繰り返してしまうのは被災した方々に対しても失礼なことだなと思いました。失ってからでは遅い、自分や大切な人の命を救うには、過去の教訓から真剣に学び、備えることが大切だと思います。登壇者の方が、「行動が命を救う」とおっしゃっていました。頭ではわかっていても、行動に結びつかないと意味がない。だから私は、これから震災の過去を風化させないように伝えていきたいと思います。


大平 はる美

今回のオンラインスタディーツアーに参加し、被災地の復興について新たな気づきを得ることができました。復興とは、失われたものを元の状態に戻し、さらに勢いを復活させるものであるからと、肯定的なイメージを持っていました。しかし、秋元菜々美さんのお話を聞いて、復興を完全にプラスと捉えることはできないと気づかされました。実際、”古いもの”を解体し取り除いて”新しいもの”を建築させていく復興が、被災者にとって思いもよらない地域の形を作ってしまう可能性があることを知りました。「どんな地域に帰りたいか」、「どんな地域になってほしいか」。ただその土地を盛んにさせる復興ではなく、人をケアする視点を踏まえての復興がなされるべきだと学びました。震災を生き抜いてきた方の、メディアでは取り上げられない心の声を聞けてよかったです。ありがとうございました。


岡島 由奈

佐藤一男さんが、避難所運営の際に「平等性」に細心の注意を払っていたことや、施設は返す前提で使用していたことを聞いて、正直とても驚きました。もしも私が避難所運営者の一人だとしたら、なんとか毎日を生きていくのに必死で、平等性や施設については気を回しきれないと思ったからです。孤独死対策のために庭に苗を植えたり、お茶やお酒を振る舞う会を催したというお話にも「なるほど!」と相づちが止まりませんでした。私はありがたいことに、まだ一度も避難所での生活を送ったことはありません。しかし、私自身も含めて誰もがその当事者になる可能性が何時でもあると思います。困難な状況であるときこそ、周囲への気遣いと想像力を忘れないようにする必要を感じました。また、日頃からあらゆる状況でも対応しやすい持続可能な生活を心掛けていきたいと思いました。


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