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参加者レポート(4)東北オンラインスタディツアー2023

東北オンラインスタディツアー2023の参加者レポートの4ページ目です。全国各地から参加した中高大学生世代が、それぞれの思いをつづりました。ぜひご覧ください。


福本 奈穂

今回のスタディツアーは改めて自分の防災への向き合い方を考える貴重な機会となりました。あの日からもう一回りも時間が過ぎましたが、私は中学校に避難しているとき近所の人がほとんど避難していなかったことを今でも覚えています。結果として津波が被害をもたらすことはなかったのですが、佐藤敏郎さんの仰っていた「念のために逃げる姿勢」が私の住む場所でもなかったように思います。そのため堤防があるから、ハザードマップ上で安全だから逃げないのではなく避難指示がでているから、本能的に逃げる必要があると感じるから念のために逃げることをこれから伝えたいと思いました。また、今回の場に参加するような方は元々防災に興味のある方、防災に関わりのある方がほとんどだと思います。このような場で学んだことを自分のコミュニティに広げること、その人たちそれぞれに自分事として考えてもらうことを目標にこれからも行動していきたいです。


箕原 優作

私は今回のスタディツアーを通して、特に「正常バイアス」を防ぐことの重要さを学びました。この「正常性バイアス」について調べたところ、想定外の事態でも心の平穏を守るための心の働きであるということが分かりました。確かに心を落ち着かせるという点では大切かもしれませんが、災害時に機能してしまうと、避難の遅れが生じることで被害の拡大に繋がる危険性が非常に高いです。こういった「正常性バイアス」のように、災害による被害の要因にはまだまだ知らないことが沢山あると、痛感しました。また、今回私が探求している「避難生活における暮らしの格差」について、避難所役員である佐藤一男さんに、避難所のそういった様子を質問することができ新たな発見が得られました。TVやネットだけでは被災地の確実な情報を把握することができません。ですが今回、生の声を聞き現地の人がどういう想いで震災に向き合っているかを知りました。佐藤敏郎もおっしゃっていたように、この機会を「入り口」としてさらに積極的に学んでいく決意です。今回は本当にありがとうございました!


宮坂 舞花

自分が小学6年生の時に起きた東日本大震災で、もうだいぶ昔の記憶になってしまっていたので、そんなに長い避難生活だったんだなとか、当時原発でどんなことが起きて周辺地域はこんな風に避難をさせられたんだったよなとか、再び思い出すことができました。また、4人の語り部の方それぞれから語られるいろんな視点での東日本大震災は、これまで知らなかったことや気がつかなかった問題に触れるきっかけとなり、とても勉強になりました。大川小学校の悲劇も、自分は教育系の大学に通っていて、昔から教員を目指していたので特に気になりながらも、しかし同時に難しい問題なのであろうといった認識からこれまできちんと学んでこれずにいたのですが、今回現地からつないでお話をしてくださって本当によかったです。必ず近いうちに東北の地訪れて震災の記憶と記録をたどる旅に出たいと思います。ありがとうございました。


宮里 きら

今回の講演で1番印象に残ったのは「復興」という言葉がいい意味だけでないということです。今までは復興は失ったものをあたらしく作る、それは絶対的に良いことだと思っていたので辞書的な言葉の認識ではなく、被災した方だからこその話を聞き、震災の複雑さに気づくことが出来ました。また私は避難所でのこころのケアについて探求したいと考えているので、野菜の苗のお話やお茶会のお話など、とても学ばせていただきました。避難生活の中で出た声が実際に活動として行われていたことも知ることができ本当に良かったです。今回は素晴らしい講演をありがとうございました。


安池 亮

第1部では、被災者の方のお話を聞き、多くの学びを得られました。1つ目に、土木専攻である自分はハードの防災・復興に注目しがちですが、行政や被災地域の今後などのソフト面がいかに大事かを強く感じました。2つ目に、秋元さんの「復興」は必ずしもプラスの言葉では無いという言葉に非被災者がよく思う復興施設も元いた人にとっては思い出の上に成り立っていると考えると「復興」の重みを感じることが出来ました。部では、ディスカッションを行う中で、自分の防災を今一度見直すべきだと感じました。自分は、備蓄の中から必要なものを取り出すことがたまにあり、ローリングストックを徹底しなければいけないなと思いました。また、近くにある防災公園などを見直し避難を想定して自分で訓練をすることが大切だと感じました。春休みである今のうちにやってみようと思います。


山田 優美

昨日は、このような貴重な機会を本当にありがとうございます。このお話を聞く前、東日本大震災、阪神淡路大震災などの防災情報は本当に無知でした。今日の講演を聞いてさらにそう思ったのだと思います。災害に対して、私がどれだけこれまで向き合えていなかったのか、身にしみました。特に佐藤敏郎さんがお話されていた、「起こってからでは遅い、事前の準備を!念のためのギアを」という言葉に、ハッとさせられました。過去の「救えた命」を絶対に私たち未来の人間が繋げて、多くの人を救いたいと強く思います。あれだけのことに意味付けをしていくのは私たちだという意識を常に欠かしません。そして、このような、講演会で伝えてくださった方々に、「無力なのかな」なんて、思わせないほど、防災の波紋を広げていきます。今日は本当にこのような決意の機会をくださり、感謝しています。会いがとうございました。


吉田 祥世

特に印象に残ったのは、実際の避難所生活についてのお話である。避難所ではルールや運営役員が作られていたということや、孤独死対策として苗を配布し、植物の元気さで人の元気さが見えるようにしていたということを知った。日常生活が失われた時こそ、周囲の人々と協力したり、知恵を出しあったりして生きることが前向きな気持ちに繋がるのだろうと感じた。また、大川小学校で起こったことについてのお話からは、災害が起きてから話し合ったのでは遅いということや、命を守るためにはまず行動することが大切であるということを学んだ。今回のツアーに参加して、私たちは想像力を働かせることで過去の経験を深く知ることができると学んだ。また、自然災害はいつ・どこで起こるか分からないものであると再確認することで、東日本大震災も自分事であると感じるようになった。過去の災害の経験について知ること、加えて、それぞれの土地で起こる可能性の高い災害は何かを知り、できることは何かを考えることが重要であると考えた。ツアー参加後に東北を訪れた際は、浸水域に新しい家などが建てられた様子を見て、「復興とは何か」を考えさせられた。


吉見 幸子

私は今まで授業などで震災のことを学ぶことがほとんどでしたが、実際に震災を経験されて、被災した方々の話を聞く機会が本当に貴重だなと感じたし、被災者の方の思いを直接聞くことができ、学べたことがたくさんありました。特に避難所での生活の実態などを少し知って、私の今の生活がある日突然一変してしまうことを想像すると、震災当時はどれほど大変だっただろうと思いました。避難所には年齢も生活も考え方も違ういろんな人が集まって、協力していかなくてはなりません。快適とは到底言えないような状況下でのストレスもすごかっただろうと思います。ただ、その中でなんとかより良くしていこうと体操や園芸など工夫していたということが知れて、地域の方々との交流の大切さなどもそこから学びました。また、大川小学校のことが心に深く残りました。少し逃げれば助かっていた子たちや先生方のことを知って胸が痛くなりました。過去の教訓を将来に生かすためにも、「念の為のギア」でいざという時の判断ミスをなくせる準備をしていきたいし、この考えを広めていきたいと思います。ありがとうございました。


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