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参加者レポート(1)東北オンラインスタディツアー2022

東北オンラインスタディツアー2022の参加者レポートの1ページ目です。全国各地から参加した中高大学生世代が、それぞれの思いをつづりました。ぜひご覧ください。


青木 温(東京都)

この度はとても貴重な体験をさせていただきありがとうございました。この活動に参加するまえの私にとって東日本大震災とは起きた当時幼かったこともあり、どこか現実感のないものでした。しかし直接被災者の方々の話を聞くことで東日本大震災とは本当にあったおそろしいものなのだ、と認識することができました。
その話の中で特に印象に残った言葉があります。それは、佐藤敏郎さんのお話の中に出てきた「被災した大川小学校ではなくその前の姿を伝えていきたい」という言葉です。この言葉で被災した地域にも私たちと同じようにくらしていた過去があり何も特別ではないということを意識できました。


阿部 翔太郎(神奈川県)

印象的だったのは、石巻の佐藤敏郎さんが、震災前の街の様子に触れてお話しされていたことです。津波によって建物が流された街の様子や、原発事故後の避難指示により人がいなくなった街の姿は、とても印象的である反面、震災で直接被害を受けなかった人々にとっては、どこか「異質」で、自分とは別世界のものとして捉えられてしまいがちだと思います。しかし佐藤さんは、そんなある種「異質」な震災後の大川小付近の様子だけでなく、私達一人一人が住む街と「同質」的な震災前の様子についてもお話しされていました。それによって、先の震災が決して自分の生活と切り離された場所で起こったのではなく、私達の日常の延長線上にいつでも起こりうるものであったことを強く意識させられました。多くの人に震災を「自分ごと」として捉えてもらうために、震災前の被災地の様子に焦点を当てることが有効な方法になるのでは、という気づきを得ることができました。


荒木 大輔(東京都)

先日はお世話になりました。被災した方々が、その経験を伝えようと一所懸命なのに感銘を受けました。ニュースでは手に入らない震災の実感を手に入れる事ができた気がします。今までの震災のニュース映像は、もしかしたら”情報商品”としか受け取っていなかったのではないかと反省するほどです。あの後、防災について調べたのですが、羊羹が非常食として優秀なのだということが分かりました。熱に強く、日持ちもして、体積あたりのカロリーも高いので、非常用バッグに入れておくと良いようです。防災意識を高めていただきありがとうございました。


イクラモフ リオン(東京都)

私は今回のオンラインスタディーツアーに参加して多くの学びを得ることができました。
とりわけ、自分自身で考えることをやめて思考停止してしまうことの恐ろしさを実感しました。盲目的に生きるのではなく、物事の背景や本来の目的を考えて行動することが重要であると感じました。また、震災そのものにフォーカスしがちな視点をその前後も通して通時的に見るものにしていくことの重要性にも気付くことができました。そのうえで、外の立場から断罪するのではなく、当事者がどう感じているかの実情を知ったうえで物事を判断することが必要とされているのではないでしょうか。


江﨑 渚月(山口県)

東北の方々の想いを知るとともに、自分の周りにも伝えられるようになりたいと思い、今回の東北オンラインスタディーツアーに参加した。今まで、東日本大震災のことについて詳しく知る機会があまりなかったことに危機感を感じていた反面、被災者ではない自分はどうかかわっていけばいいのかよくわからないでいた。そんなもやもやとした感情を抱えながらいざ参加してみると、東北の方に限らず、東日本大震災や、身の回りの防災について真剣に考えている方々に出会って考えが変わった。私は、今まで基本的な防災ですらおろそかにしていたので、まずは今回のスタディーツアーを機に、食料の備蓄を意識し、自分が住んでいる市の防災マップで避難場所を確認した。「防災は恐怖を煽るものではなく、希望のためのもの」。私も、今の自分にできることから「希望のために」防災に取り組んでいきたい。


岡﨑 恵仁(千葉県)

私がお話を聞いて心に残ったこと、考えたことは2つあります。1つは、津波を防ぐために高い堤防を建てるがそのせいで昔のように海が見えなくなったり、地域の景観が変わってしまうということでした。もう1度同じ被害を起こさないために堤防を立てることは必要なことですが、それで町が変わってしまうという問題は難しいことだと思います。私の住んでいるあたりに川や海はありませんが家の前の公園や通ってる学校が、もしも津波や地震で壊れたらショックです。もう一つはお話を聞いて考えたことですが、まず小学校や中学校は避難所となり災害時沢山の人が来られます。そのような時、学校で避難所運営ができるのは私たち中学生だと思います。なぜなら、その学校に一番詳しい人はその学校の生徒だからです。なので私は避難訓練にもっと真剣に取り組んだり、学校の防災対策に生徒自らが参加すべきだと思いました。


岡﨑 祐仁(千葉県)

否定することでなく受け入れることを。この言葉が強く心に残った。また、11年前に震災を経験され、その辛い記憶を思い出しながらお話しくださる登壇者の方々の姿に、胸が締め付けられた。これまでも、震災についての報道を目にしていたが、どこか遠いことのように感じていた。しかし、初めて生の声を聞かせていただき、一気に東北との距離が縮まった。そしてお話を教訓とし、防災セット、ハザードマップの点検を行った。私は本スタディツアーに参加したことで、自分が震災について無知であったこと、日本で生活する者として東北の今を学ぶことの大切さを強く感じた。そのため、まずは知ることから始め、それを周りの人と共有していきたい。このような輪を広げていくことで、空疎な避難マニュアルや自身の備えを見直すきっかけになるだろう。情勢が改善されれば現地を訪れ、私も記憶と教訓のバトンを繋ぐひとりになりたい。皆様ありがとうございました。


岡本 偉吹(福岡県)

東日本大震災発生から11年がたち、報道以外でその実態を知り得なかった私は、忘れることは被災者の方々を見捨てる気がして考え続ける必要があると感じ本スタディーツアーに参加した。佐藤敏郎さんがおっしゃる11年前にそこにあった命や生活を見つめてほしいとの言葉にハッとした。東日本大震災では、20,000人近い方がお亡くなりになり私たちはどこかその数に注目してしまう気がする。しかし、お亡くなりになった人それぞれに命があって、大切にすべきものがあったことを恥ずかしながら佐藤さんの話を聞き、改めて痛感した。「もしも、もしも」と当時の情景を思い浮かべながらお話を聞くと心が苦しくなると同時に一方で助かる方法、まさに「未来を拓く」方法が多くの命や大切なものが奪われた場所にこそあるのだとも感じた。他のグループからの発表で防災の一環で、「防災小説」があると知り、強く共感し、まさに「未来を拓く」ものだと考える。震災を辛い過去とだけとらえるではなく、そこにあった命や生活などと向き合い、未来を拓くものにしなければと本スタディーツアーを通し改めて感じた。


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