2020夏特集「過去に学び未来を紡ぐ」
戦争の世紀と呼ばれた前世紀の影は、いまだに世界中で紛争や差別の火種となりくすぶり続けています。憎しみが憎しみを生み、断絶が更なる断絶を生む。それはまるで延々とめぐるループのように、今も人々の命を奪い続けています。
一瞬にして何十万もの命を奪える兵器を手にした人類は、それを制御するだけの知恵や倫理、社会を発達させてきたでしょうか。あまりにも短絡的な二元論で「敵」と「味方」を分け、「殺人」を「正義の戦争」と正当化する現代は、未だ人類が、未熟な精神性や社会制度を克服していないことを示しているのではないでしょうか。
今も続く苦しみや葛藤、過去の傷と向き合うことは、誰かの経験から学びを受け継ぐことでもあります。人はその想像力ゆえに未知への恐怖を駆り立てられますが、その未知から希望を紡ぐのもまた、同じ想像力です。他者への共感から生まれる、憎しみのループを越えた平和な世界を目指して。
2020年夏特集
「過去に学び未来を紡ぐ」2020年夏、NPO法人Dialogue for Peopleでは「過去に学び未来を紡ぐ」をテーマに情報を発信し、皆さまと共有するとともに、広くご支援、ご寄付を募集します。日本では戦後75年を迎えるこの夏、世代をこえて自分たちの辿ってきた道のりに思いを馳せることは、同時に、世界で今もなお戦争の脅威にさらされる人々の状況への想像力につながっていくことでしょう。今日に至るまで巡ってきた季節の中で、どのような人たちがどのような想いで生きてきたのか、そして今日を生きる私たちは、次の世代に何を伝えていくことができるのか。ともに考えていくことができれば幸いです。
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