2020年冬特集「それぞれの声が社会をつくる」
2020年も過ぎ去ろうとしている現在、偏見や差別に基づく分断の兆しが、世界の様々な地域で見受けられます。それは日本も例外ではありません。出自や社会的立場、ジェンダーやイデオロギーの違いなどによる格差や排除、権利の侵害が、コロナ禍という災害のなかで、よりくっきりと浮かび上がってきたように思います。
日本では戦後、憲法で保障された国民主権に基づき、議会制民主主義による社会を築いてきました。多くが戦後生まれである現在、そうした制度は元から存在する、完成された理念・システムのように感じてしまいがちですが、本来は常にそれぞれの声を反映させつつ、細やかな補修・改善を必要とするものです。特に大切なのが、そこに生きる人々がみな、権利と尊厳を持つひとりの人間であるという価値観でしょう。果たして大きな声の影に、かき消されている小さな声はないでしょうか?
世界がより複雑化する中、差異を重んじながらも、ともに未来を築くための共通の価値観をどのように見出していくのか。これからの未来に必要な民主主義のアップデートについて、様々な角度から考えていきます。
2020年冬特集
「それぞれの声が社会をつくる」2020年冬、NPO法人Dialogue for Peopleでは「それぞれの声が社会をつくる」をテーマに情報を発信し、みなさまと共有するとともに、広くご支援、ご寄付を募集します。
コロナ禍という世界規模の災害に際し、改めて社会の在り方を考えさせられる出来事が続きます。今を生きる私たちが、その声でこれからの未来を切り拓いていくために必要な価値観・考え方とは何か。「民主主義」をどのようにアップデートすることができるのか。様々な社会問題や市民活動を取材する中で見えてきたその種をきっかけに、ともに考えていくことができれば幸いです。
特集記事・コンテンツ
■ 12月2日公開 ヘイトクライムに抗う ―憎悪のピラミッドを積み重ねないために― (外国人人権法連絡会 瀧大知さんインタビュー)
■ 12月3日公開 Chiki’s Library「テレビと外国イメージ」[YouTube]
■ 12月4日公開 「ヒーロー」の出現を待望しないこと
■ 12月8日公開 ヘイトスピーチの規制は「表現の自由」の規制?[D4P Radio]
■ 12月9日公開 「お答えを差し控える」ことは許されるのか―政治倫理綱領を読み直す―
■ 12月13日公開 もうひとつの「遺書」、外国人登録原票
■ 12月15日公開 今、改めて読み直す「政治倫理綱領」[D4P Radio]
■ 12月17日公開 Chiki’s Talk「沈黙の螺旋とクリティカル・マス」
■ 12月18日公開 川崎市のヘイトスピーチ禁止条例成立から1年。条例も法律も「声」から生まれる。
■ 12月19日公開 あらゆる表現は政治と切り離せないもの
■ 12月24日公開 民主主義のバージョンアップ ―分極化した島に橋を架ける―
■ 12月27日公開 原発廃炉の今 ―僕たちは未来に何を残すのか?―
あわせて観たい・読みたい
Dialogue for Peopleの過去の記事・映像から、テーマにあったものをご紹介します。
■ Chiki’s Talk_001_ヘイトスピーチ[2019.11.6|YouTube]
■ “内なる優生思想”に気づいたとき、私たちは何を選択するべきか ―相模原障害者施設殺傷事件、判決を前に[2020.3.12/安田菜津紀]
■ 国に帰れないことは「罪」なのか ー誤った事実を元に議論されていた「刑事罰」 [2020.4.1/安田菜津紀]
■ 人々が守られず、権力者が守られる国を取材して[2020.5.12/安田菜津紀]
■ 【取材レポート】伊藤詩織さんの記者会見からネット上での誹謗中傷について考える ―言葉を凶器にしないための「Rethink」を―[2020.6.10/佐藤慧・安田菜津紀]
■ 僕たちは「誰かを見下ろす笑い」のままでいいのか 沖縄から社会問題を語る、せやろがいおじさんインタビュー[2020.6.22/安田菜津紀]
■ 法も検察も自分を守らない そんな時代は「過去」なのか ―治安維持法下の「生活図画事件」を取材した、髙橋健太郎さんインタビュー [2020.8.10/安田菜津紀]
■ 香港のフォトジャーナリストから見た、ベラルーシのデモの姿とは[2020.9.16/安田菜津紀]
■ ”誰もがメディアである”時代、荻上チキさんと学ぶ「メディア論」[2020.10.7/佐藤慧]
■ 憎悪のピラミッドージェノサイドへ至る階段をどう解体していくか[2020.11.6/佐藤慧|D4P Radio]
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「それぞれの声が社会をつくる」
Dialogue for Peopleの取材、情報発信の活動は、皆さまからのご寄付によって成り立っています。2020年冬は「それぞれの声が社会をつくる」と題し、民主主義のアップデートをテーマとした特集を実施中です。一人一人の声を「伝える」ことから「共感」を育み、「対話」を生み出すこの取り組みを支えるため、あたたかなご支援・ご協力をよろしくお願いします。