無関心を関心に—境界線を越えた平和な世界を目指すNPOメディア

Articles記事

2021年、コロナ禍の海外取材各地は今ー現地パートナーたちの声

コロナ禍は、現在も世界中のあらゆるところに影響を及ぼしています。Dialogue for Peopleでも、この1年は海外取材を行うことができず、代わりに常日頃からお世話になっている現地パートナーと、オンラインで情報交換を続けてきました。今年はコロナ禍が終息し、また現地で一緒に取材を行えることを願いつつ、イラク、パレスチナ、ザンビアの3人に現状を聞きました。

イラク北部、クルド自治区の少年。

経済的な困難と大国間の緊張の影響がもたらすもの

バルザーンさん(クルド自治区/イラク)

  

こんにちは。イラク北部、クルド自治区のバルザーンです。コロナ禍で大変な状況ですが、みなの無事を祈っています。現在、イラクではコロナの感染者が日毎に減っています。また、現在のところ(1月末)変異種は確認されていません。

しかしクルド自治区を含むイラクでは、経済的な困難に直面しており、政府も財政難にあえいでいます。またイランとアメリカの間の緊張も、私たちの地域に様々な影響を与えています。イラクには多くのアメリカ軍基地があり、また、イランの軍隊もいます。

2021年は(コロナ禍が終息したら)コロナ禍で会えなかった人々との繋がりを取り戻し、ともに過ごす時間をつくれたらと思います。

▼バルザーンさんへのインタビュー

パレスチナ人として、起業家として、母として、コロナ禍をガザで生き抜くということ

アマルさん(ガザ地区/パレスチナ)

   

ガザ地区に暮らすアマルです。ガザでは、救急ダイヤルに電話をかけた人と、その接触者にPCR検査を行っています。他の国々からも、人工呼吸器などの医療支援物資を頂いています。地域政府は陽性者に外出をしないようにと要請していますが、ガザではすでに、警察や医療関係者よりも感染者の方が多く、なかなかうまく行きません。地域政府は感染拡大を防ぐため、毎日夜6時半以降の外出を禁止しています。また、金曜日と土曜日は、完全に外出禁止となっています。

コロナ禍の他に気になることとしては、今年予定されているパレスチナの選挙があります。詳細はまだ何も決まっていませんが、大統領は選挙の実施に同意したということで、多くの人々は政治的・経済的状況に良い変化が起こることを期待しています。しかし現在の経済的困難は、依然として厳しい状況です。2014年以来、ガザ地区では給与が下がり続けており、失業者も日毎に増えています。アメリカのトランプ前大統領の決定により、多くの支援団体の予算が削減されましたが、政権が変わったことにより、その状況が改善されるかどうか、人々は注視しています。

(昨年末の出産を経て)ガザ地区で母になるということには、多くの困難が伴います。コロナ禍から守らなければならないことはもちろんですが、軍事占領下におかれているパレスチナでは、子どもに良い未来を保障することはできません。少しでも良い生活を送れるよう、外でも家でも働き続けているため、赤ん坊の世話にすべての時間を捧げることもできません。

2021年は、予期せぬコロナ禍で無駄にした昨年の代わりに、より有効に時間を使いたいと思っています。社会起業家として、ガザの人々の役に立つ製品を開発し、生活の向上や、問題解決の助けになれたらと思います。そして、ガザ地区のことを、世界中の、もっと多くの人々に知ってもらいたいと思っています。

▼アマルさんへのインタビュー

ひとりでも多くの子どもたちを路上から救い出したい

ヴァスコさん(ザンビア)

    

ザンビアでストリートチルドレンや、脆弱な地域の支援をしている、フットプリンツ・ファウンデーションのヴァスコです。コロナ禍に関しては、ヨーロッパでの感染拡大が第一局面だとすると、現在は第二局面に入っていると言えるでしょう。ザンビア政府も、フェイスマスクの着用や手の消毒、ソーシャルディスタンスの確保など、全国民に呼び掛けています。

今年(2021年)、ザンビアでは選挙があります。暴動などが起きずに、平和な選挙となることを願っています。政府や大統領は手を尽くしていますが、コロナ禍の影響もあり、ザンビアの経済もひどく停滞しています。

新年の抱負としては、これまでと変わらず、ひとりでも多くの子どもたちを路上から救い出したいと思っています。多くの人が、私たちの活動を支援してくれることを望んでいます。共に力を合わせれば、現状を変えていけると信じています。

▼ヴァスコさんの支援活動の取材記事・インタビュー

(2021.2.1/翻訳 佐藤慧)


あわせて読みたい

【Global Interview】 難民や貧困、COVID-19による世界での影響は? [2020.5.24/佐藤慧・安田菜津紀]
「写真で伝える」は仕事としてどう成り立っているのか? [2019.11.12/安田菜津紀]

Dialogue for Peopleの国内外の取材や情報発信などの活動は、皆さまからのご寄付によって成り立っています。取材先の方々の「声」を伝えることを通じ、よりよい未来に向けて、共に歩むメディアを目指して。ご支援・ご協力をよろしくお願いします。

この記事をシェアする